職場の熱中症対策補助、年齢制限撤廃へ 厚労省が検討開始
職場における熱中症対策グッズの購入を支援する国の補助制度について、厚生労働省は対象となる労働者の年齢制限を撤廃する方向で検討を始めることになりました。これまでこの制度は60歳以上の労働者に限定されていましたが、若年層を含む幅広い年齢層での熱中症リスクに対応するため、制度の見直しが進められます。
50代以下でも死亡事例 「対象年齢引き下げ」の声受け
今回の検討の背景には、50代以下の労働者でも熱中症による死亡事例が発生している現状があります。職場環境の多様化や気候変動の影響により、従来の年齢区分では十分な対策が講じられないケースが指摘され、「対象年齢を下げてほしい」という現場からの要望が高まっていました。
厚労省の検討会は3月2日、年齢制限について「廃止について検討することが必要」とする報告書案を了承。具体的な対策グッズとしては、以下のような製品が挙げられています。
- ファン付き作業服(空調ベスト)
- 移動式スポットクーラー
- 冷却効果のある作業着
中小企業向け補助制度を拡充 2027年度以降の実現目指す
この補助制度は、高齢者の労災防止を目的とした中小企業向けの支援策として実施されており、対策グッズの購入費の2分の1を国が補助しています。対象年齢の撤廃に伴い、予算の拡充や制度設計の見直しが検討され、2027年度以降の実現を目標としています。
厚労省関係者は「熱中症は年齢に関わらず深刻な健康リスクです。特に中小企業では対策コストが負担となるケースも多いため、制度の柔軟化が必要と判断しました」と説明。今後は、以下の点を中心に具体的な実施計画が策定されます。
- 予算規模の再検討と財源確保
- 申請手続きの簡素化
- 効果的なグッズの選定基準の明確化
検討会では、熱中症防止対策のさらなる強化も議論されており、職場環境の整備と労働者の安全確保が急務となっています。気候変動に伴う猛暑の長期化が予想される中、国を挙げた予防策の拡充が期待されます。



