中部電力がフリーランス法違反で公正取引委員会から勧告を受ける
公正取引委員会は2026年2月27日、中部電力に対し、フリーランス法違反を認定し、再発防止を求める勧告を正式に発表しました。同社は業務委託先のフリーランス39人に対して、取引条件を適切に明示せず、一部では報酬の支払い遅延も発生していたことが明らかになりました。
違反内容の詳細と対象者の内訳
公取委中部事務所の調査によると、中部電力はフリーランス法が施行された2024年11月から2025年9月までの期間に、合計39人のフリーランスに業務を委託していました。しかし、報酬の支払期日や具体的な業務内容、実施場所といった重要な取引条件を書面で明示していなかったことが判明しました。
中部電力側の説明では、違反対象となった39人の内訳は以下の通りです。
- 25人:会議体の委員や技術支援を担当する大学教授などの有識者
- 6人:弁護士や医師などの専門職
- 8人:キャリアサポートなどの業務を委託されたその他のフリーランス
契約書において「会議やイベントの開催場所が未定」や「決定次第通知する」といった曖昧な記載が、法違反に該当すると指摘されました。これらの表現は、取引条件を明確に定めていないとして問題視されたのです。
支払い遅延の実態と対応
さらに、39人中14人に対しては、契約で定められた期日までに報酬が支払われていなかったことも発覚しました。支払い遅延の具体的な金額は公表されていませんが、中部電力はすでに全額を支払い済みであると説明しています。
同社の法務グループ担当者は名古屋市東区で記者会見を開き、「フリーランス法違反について深く陳謝する」と謝罪しました。また、再発防止に向けて社内体制の見直しを進めると約束しました。
背景と今後の影響
フリーランス法は、個人事業主やフリーランスの権利保護を目的として2024年11月に施行されました。企業に対して、取引条件の明確な提示や適切な支払いを義務付けており、中部電力のケースは大企業における初期の違反事例として注目されています。
この問題は、中部電力の各部署で業務委託が分散して管理されていたことが一因とみられ、内部統制の強化が急務となっています。公取委の勧告を受け、同社は全社的なコンプライアンス教育の実施と監査体制の整備を進めるとしています。
労働環境の整備が進む中、フリーランスを活用する企業にとっては、法遵守の重要性が改めて浮き彫りになる事例となりました。今後の動向が業界全体に与える影響も注視されるでしょう。



