福島県の女性消防団員比率が1.6%、全国ワースト2位の深刻な状況
地域の防災活動を支える消防団員において、福島県では女性の割合が1.6%(昨年4月1日時点)と、全国で2番目に低い水準にあります。大規模災害発生時には後方支援など多様な役割が期待される中、県などは女性団員の確保を目指し、出前授業などを通じて活動内容の周知に力を入れています。
防災教室での実践的な取り組み
福島市立第二小学校で2月に開催された防災教室では、市消防団第6分団所属の宮村たま江さん(57歳)が5年生約30人を対象に、災害時の備えについて指導しました。宮村さんは「災害時はトイレが使えない可能性があるため、非常用の簡易トイレも準備しておきましょう」と呼びかけ、クイズを交えて行動指針を説明。さらに、新聞紙からスリッパを作る体験活動を行い、実践的な防災知識を伝えました。
女性消防隊「花もも隊」の活躍と役割
宮村さんは2009年5月、ホテルチェーン店の支配人を務めていた頃、周囲の勧めもあり消防団に入団しました。福島市消防団は2020年10月、特定の活動に限定する「機能別団員制度」と、女性消防隊「花もも隊」を新設。同隊には現在11人が所属し、夜間のパトロールや消火栓点検など多岐にわたる活動を展開しています。
災害時の後方支援では、支援物資の搬入に加え、避難所での生理用品不足への対応や着替え場所の確保、悩み相談など、女性ならではの視点が生かされる場面が多くあります。宮村さんは「避難者が少しでも苦痛から解放されるよう、声を集めて必要なものを届ける活動を続けたい」と語り、地域貢献への意欲を示しています。
女性団員の確保に向けた取り組みと課題
花もも隊の隊員のほとんどは仕事をしながら活動しており、宮村さんも温泉観光協会職員としてシフト制で働きながら、出勤前や休日に消防団員として活動しています。隊長を務める宮村さんは「消火活動などは男性が主導する一方、ソフト面の活動は女性でも十分に貢献できる」と強調し、「地域に貢献でき、やりがいがあるため、積極的な入団を期待している」と訴えました。
総務省消防庁は、消防団員に占める女性の割合を2026年度末までに5%とする目標を掲げています。福島県内で女性比率が低い要因について、県消防保安課の担当者は「消防団は男性が入るというイメージがまだ根強いのではないか」と推察。県は専門学校などでの出前授業を通じて活動内容を紹介し、今後は女性団員を集めた座談会を不定期に開催して意見を集約し、女性が働きやすい環境整備を進めるとしています。
この課題は、地域防災の多様性と持続可能性を考える上で重要なテーマであり、今後の取り組みに注目が集まっています。



