米金融最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は28日、世界的な政府債務の増加を背景に「何らかの債券危機が起きる可能性がある」と警告し、市場の混乱が生じる前に事前対策を講じるよう各国政府に促した。米CNBCテレビが伝えた。
投資会議での発言
ダイモン氏はノルウェーの政府系ファンドが主催した投資会議で講演し、地政学的リスクや原油価格の高騰、財政赤字の拡大など複数の要因が重なり、金融市場の不安定化につながる恐れがあると指摘した。同氏は「これらのリスクがどのように絡み合い、どのような事態を引き起こすかは予測不可能だ」と述べ、不確実性の高まりに懸念を示した。
市場への影響
ダイモン氏は、各国政府が債務問題に積極的に対処しなければ、市場の信頼が損なわれ、深刻な金融危機を招く可能性があると警告。特に、主要先進国における財政赤字の拡大が長期的な金利上昇圧力となり、債券市場のボラティリティを高めるリスクを指摘した。同氏は「政府は早急に財政規律を強化し、持続可能な債務管理を実施すべきだ」と強調した。
また、ダイモン氏は地政学リスクとして、ウクライナ紛争や中東情勢の緊迫化、米中対立などを挙げ、これらの要因がエネルギー価格やサプライチェーンに影響を与え、経済全体の不透明感を増していると分析。投資家に対しては、ポートフォリオの分散とリスク管理の徹底を呼びかけた。
JPモルガンは世界最大級の金融機関であり、ダイモン氏の発言は市場関係者から注目されている。同氏は過去にも金融危機や経済リスクについて警告を発しており、今回の指摘も重く受け止められている。



