福岡県古賀市で自動運転バス実証運行がスタート、運転手不足対策の新たな試み
運転手不足の克服を目指す自動運転バスの実証運行が、2026年3月20日、福岡県古賀市のJR古賀駅東口とJRししぶ駅東口間で始まりました。この運行は3月30日まで実施され、日曜日は運休となります。実証運行は、市が運行するAIを活用した乗り合い型オンデマンドバス「のるーと古賀」の自動運転化に向けた取り組みの一環で、運行を担うタクシー会社など関係企業と連携して行われています。
AIを活用した効率的な運行システム
通常の「のるーと古賀」では、利用者が専用アプリや電話で乗降場所を予約し、AIが最適なルートを導いて運行する仕組みですが、今回の実証運行では約4キロのルートを固定し、乗降場所を5か所に限定しています。また、運賃は無料とされ、より多くの市民が体験できるように配慮されています。定員13人のEVバスを活用し、運転手が同乗して必要に応じてブレーキなどを操作する「レベル2」の自動運転で実施されます。自動運転中の速度は最高時速35キロに設定されており、安全性を確保しながら技術の検証が進められます。
将来のレベル4運行を視野に
古賀市は、2027年度を目処にルートを延伸し、運転手が同乗しない「レベル4」での運行開始を目標としています。これにより、運転手不足の深刻な課題に対応し、持続可能な公共交通システムの構築を目指します。また、実証運行で得られた検証結果は、同様のシステムを導入する他の自治体とも共有される予定で、地域全体の交通課題解決に貢献することが期待されています。
初日の出発式と市民の声
実証運行初日には、ししぶ駅東口で出発式が行われ、関係者らが記念乗車しました。市の外部委員会「地域公共交通会議」の委員を市民代表として務める飯尾みどりさん(65)は、体験を振り返り、「緊急車両が近づくと手動運転に切り替えていた。想定外の事態への対応などには課題を残すが、市内では路線バスの本数が減っている地域があり、自動運転の進展には期待している」と語りました。このコメントは、自動運転技術が地域の交通格差解消に寄与する可能性を示唆しています。
古賀市の取り組みは、AIと自動運転技術を活用した公共交通の未来像を描くもので、運転手不足という社会問題に対し、革新的な解決策を提示しています。実証運行を通じて、技術面や運用面での課題を洗い出し、より安全で効率的なシステムの確立を目指す姿勢が評価されています。



