環境保護団体のNPO法人「気候ネットワーク」は27日、イラン情勢を受けて石炭火力発電の稼働制限を2026年度に解除する政府方針によって、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の排出量が約170万トン増加するという試算を公表した。この規模は、太平洋やカリブ海の島嶼国、あるいはアフリカの低所得国が1年間に排出する量を上回るとしている。
政府の石炭火力活用方針
政府は、中東以外から調達可能な石炭火力の稼働率を高めることで、液化天然ガス(LNG)を年間50万トン節約できると見込んでいる。しかし、試算によれば、石炭火力は燃焼時にLNGの約2倍のCO2を排出するため、この分が石炭に置き換われば、年間排出量が170万トンを超える可能性があると指摘されている。
緊急対策としての制限解除
政府は、ホルムズ海峡の事実上の封鎖により石油やLNGの供給不安が高まる中、電力の安定供給を確保するための緊急対策として、石炭火力の稼働制限を4月から1年間限定で解除する方針を決定した。
環境団体の懸念
気候ネットワークは、イラン情勢の悪化が長引けば、石炭火力への回帰がさらに進むことを懸念し、「安易に抑制策を緩和することは看過できない」と批判している。同団体は、気候変動対策の観点から、政府に対してより持続可能なエネルギー政策への転換を求めている。



