かつては漁師に魚の居場所を教えていたとされる鳥が、今では人を利用して獲物の魚を捕っているのかもしれない――。そんな現象を見つけた論文が8日、学術誌に報告された。
カツオドリの意外な行動
この鳥はカツオドリ。カツオに追われたイワシなどを狙って狩りをするのを、漁師が魚群の目印としたことから名付けられたと言われる。
建設コンサルタント「日本工営」の中央研究所の林亮太研究員は2017年、東京都小笠原の父島と母島を行き来するフェリーで4~5月、8月に1往復ずつ、接近してくるカツオドリの個体数や、海に潜って魚を狩る回数を1分ごとに調べた。航路も記録し、地点による傾向の変化も見られるようにした。
調査結果の詳細
その結果、カツオドリは母島の近くで多く、母島発のフェリーでは5月にのべ431羽、8月は同474羽が観察されたが、父島発は4月同108羽、8月同193羽だった。狩りの回数は母島発が5月計71回、8月計113回、父島発は4月計5回、8月計59回だった。母島に大きな繁殖地があり、8月は子育て最盛期であることが要因と考えられるという。
よく見るとカツオドリたちは、フェリーの航行でかき乱された海から飛び上がるトビウオを捕らえていた。かつては人が魚の群れの目印として利用した鳥たちは、今は人の動かす船を利用して魚を捕っているようだった。
研究員のコメント
林さんは「こうした狩りのメリットや、一部の個体だけがするのかなど、さらに謎がある」と話している。また、この発見は船上での暇つぶしがきっかけだったという。



