政府は12日、首都直下地震の減災目標などを盛り込んだ基本計画を閣議決定した。2025年12月に見直された被害想定では、最悪の場合、死者1万8千人、全壊・焼失建物40万棟とされる。これに対し、今後10年間で「半減以上」を目指すとしている。耐震化率や火災対策、2地域居住の推進など具体的な数値目標も設定した。
背景と経緯
政府は1都9県309市区町村を緊急対策区域に指定。2013年には死者2万3千人などの被害想定を公表し、2015年に2024年度末までに「おおむね半減」させる目標を掲げたが、達成できなかった。今回の計画では、確実に半減(死者9千人、全壊・焼失建物20万棟)を達成するため、「半減以上」という表現を用いた。内閣府の担当者は「一歩進んだ表現にした」と説明する。
自助・共助の重要性
東京圏には約3700万人が居住しており、政府は公助には限界があると認識。今回の計画では、防災意識の醸成など自助や共助を強調している。具体的には、家具の固定率、食料品や飲料水を3日以上備蓄している家庭の割合、年に1回以上防災訓練を行うマンションの割合を100%にする目標を掲げた。住宅の耐震化率も100%に近い状態を目指す。また、在宅避難の必要性の啓発や、2地域居住・テレワークの推進も盛り込んだ。
火災対策と感震ブレーカー
被害想定では、死者の約7割が火災によるものとされる。政府は、電気に起因する火災を防ぐため、強い揺れを感知してブレーカーを遮断する「感震ブレーカー」の設置率を2024年度の20%から、2035年度には100%近くに引き上げる目標を設定した。都市部の火災対策として、密集市街地の解消も進める。2011年度に約2500ヘクタールあった「著しく危険な密集市街地」は2024年度までに84%解消されたが、2030年度には100%解消を目指す。
目標の拡充と進捗管理
今回の計画では、具体的な目標をこれまでの4倍にあたる189項目設定。今後、毎年進捗状況や課題を共有するという。政府は国会で審議中の防災庁設置なども見据え、着実な減災を図る方針だ。



