JASRACから630万円を詐取した容疑で逮捕 日テレ番組での楽曲使用虚偽報告か
警視庁は2026年4月22日、日本テレビの番組で自社に著作権がある楽曲が使われたと虚偽の報告をし、日本音楽著作権協会(JASRAC)から曲の使用料をだまし取ったとして、千葉市美浜区在住の職業不詳、井上研一容疑者(59)を詐欺の疑いで逮捕しました。捜査関係者への取材により明らかになった事案です。
虚偽報告による使用料詐取の手口
捜査関係者によると、井上容疑者は2019年3月から5月にかけて、代表取締役を務めていた音楽出版会社に著作権がある楽曲が、日本テレビの番組で使用されたとする虚偽の情報を、日テレ側を通じてJASRACに報告しました。その後、同年9月にJASRACから曲の使用料として約630万円を自社名義の口座に振り込ませた疑いが持たれています。
対象となった番組と容疑者の関与
井上容疑者が虚偽の報告をしていたとされる日本テレビの番組は、以下の4番組に及びます。
- 「シューイチ」
- 「今夜くらべてみました」
- 「誰だって波瀾爆笑」
- 「人生が変わる1分間の深イイ話」
また、井上容疑者は日本テレビの別の番組の制作に関わっていたと伝えられており、こうした関係を悪用した可能性が指摘されています。
JASRACの分配システムを悪用か
JASRACは通常、テレビ局などからの報告に基づいて著作権使用料を分配する仕組みを採用しています。警視庁は、井上容疑者がこのシステムを悪用し、実際には使用されていない楽曲について虚偽の報告を行うことで、不正に金銭を得ようとしたとみて捜査を進めています。
さらに、虚偽報告では楽曲が4万回を超える使用とされていたものの、実際には多くが架空の使用記録だったと見られています。この事件は、著作権管理における報告システムの脆弱性を浮き彫りにする事例となり、業界全体に衝撃を与えています。
警視庁は現在、井上容疑者の詳細な動機や手口について、さらなる捜査を続けており、関係者への聞き取りや証拠の収集を進めている模様です。この逮捕は、音楽著作権を巡る不正行為に対する厳正な対応を示すものとして、注目を集めています。



