日本航空(JAL)の国内線に乗務予定だった客室乗務員(CA)2人が、社内規定に違反して滞在先で飲酒し、交代要員の手配などにより便の到着が遅れた問題で、国土交通省は12日、JALに対して行政指導にあたる厳重注意を出した。
安全管理システムの不備を指摘
国交省は「安全管理システムが十分に機能していたとはいえない」と指摘し、JALに対し7月17日までに再発防止策を報告するよう求めた。また、CA2人が当初、飲酒の事実を否定する虚偽の説明をしていたことも明らかになった。
JALでは2024年12月以降、パイロットの飲酒事案が相次いでおり、国交省は「繰り返し飲酒事案が発生していることは、社員一人一人に安全意識がいまだに徹底されていないと言わざるを得ない」と厳しく指摘した。
問題の便と飲酒の詳細
問題があったのは5月23日、広島から羽田へ向かうJL252便(乗員・乗客193人)。2人のCAは前日に羽田から広島へ向かう便に乗務し、翌朝の便に備えて広島県内のホテルに宿泊していた。
JALの社内規定では、飲酒は「飛行勤務開始の12時間前まで、4ドリンク以内」と定められているが、2人は規定時間を超えて22日夜まで飲酒。このうち1人は翌朝、「乗務できない」と申告し、乗務から外れた。
もう1人のCAは、乗務当日にホテルで受けるべきアルコール事前検査を受けずに空港へ向かい、空港での正式検査でアルコールが検出された。このCAは責任者であるチーフパーサーで、別のCAが複数回にわたり事前検査を促したが、検査せずに空港に向かわせてしまったという。
代わりのチーフパーサーを手配する必要が生じ、同便は定刻より39分遅れの9時39分に羽田に到着した。
過去の飲酒事案と再発防止
JALでは2024年12月、男性機長と副機長が滞在先のオーストラリアで社内規定を超えるアルコールを摂取し、飲酒を隠して運航業務にあたる事案が発覚。2024年8月にも男性機長が滞在先のハワイで飲酒し体調不良となり、計3便に遅れが出ていた。これらの事案を受け、国交省から業務改善勧告などの行政指導を受け、再発防止策を進めている最中だった。



