筑波大生不明事件、差し戻し審で被告が無罪を主張 フランスで3度目の公判始まる
筑波大学からフランス東部ブザンソンに留学していた黒崎愛海(なるみ)さん(当時21歳)が2016年に行方不明になった事件で、殺人罪に問われたチリ人の元交際相手、ニコラス・セペダ・コントレラス被告(35歳)の差し戻し控訴審の初公判が3月17日、リヨンの裁判所で開かれた。
AFP通信によると、セペダ被告は公判で「私は殺していない」と明確に無罪を主張した。この事件は複雑な裁判過程を経ており、今回が実質的に3回目となる公判となっている。
複雑な裁判の経緯と差し戻しの理由
セペダ被告は2023年12月に行われた控訴審判決で、一審と同様に28年の拘禁刑を言い渡されていた。しかし、フランス最高裁に相当する破棄院は2025年2月、控訴審で証人として出廷した警察官が、一審では明らかにしなかった捜査資料を使用したことなどを理由に、控訴審判決を破棄し、審理を差し戻す決定を下していた。
この決定により、事件は新たな裁判段階に入ることとなり、リヨンでの差し戻し控訴審が開始された。裁判の公正性を確保するため、証拠の取り扱いに関する手続きの適正さが改めて問われることになった。
事件の概要と関係者の動向
黒崎愛海さんは筑波大学の学生としてフランスに留学中、2016年に突然行方不明となった。捜査の結果、当時交際していたチリ人男性のセペダ被告が殺人容疑で起訴され、長い裁判が続いている。
フランス紙パリジャンの報道によれば、今回の差し戻し審における判決は3月27日に言い渡される見通しだ。被告側の無罪主張と検察側の立証がどのように評価されるかが注目される。
この事件は国際的な要素も含んでおり、日本とフランスの司法制度の違いや、国際事件における証拠収集の難しさなど、様々な観点から関心を集めている。被害者家族や関係者にとっては、事件発生から約8年が経過する中で、司法の結論を待つ日々が続いている。



