都立公園で倒木相次ぐ、樹木管理の課題浮き彫りに
都立公園で倒木相次ぎ、樹木管理の課題浮き彫りに

東京都立公園で倒木が相次いで発生し、東京都は一斉点検などの対応に追われている。今年3月以降、砧公園(世田谷区)で5本の木が倒れ、大型連休中の5月5日には善福寺公園(杉並区)でクヌギが倒れた。都立公園・庭園84カ所の約3分の1は1965年以前に開園しており、古い樹木が多いが、都は「どの公園に、どれくらいの樹齢の木が何本あるか、詳細は把握できていない」と認めている。

2025年度の倒木は86本、3件でけが人

「『バーン』と、花火のようなすごい音がした。犬に引っ張られて『あれ?』と思ったら、直後に木が倒れた。一瞬だった」。7日夕、善福寺公園(1961年開園)で犬の散歩をしていた60代女性は、2日前の倒木の様子をこう振り返った。

都によると、5日午後4時半ごろ、園内の高さ約30メートルのクヌギ1本が園路をふさぐ形で倒れた。この木は昨年5月の点検で異常な音がするとして経過観察中だった。けが人はなかったが、当時は散策や犬の散歩で多くの人が歩いていたという。木は既に撤去された。

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近くに住む会社役員の男性(85)も妻と娘と散歩中、倒木に出くわした。「びっくりした。けが人がなくて良かったが、ここは老木も多い。対策をきちんとしてほしい」。公園事務所によると、倒れた木の隣の木も樹木医の診断を待っている状態だ。園内には他にも、テープで囲われ注意喚起の看板が置かれた樹木が目立った。

砧公園(1957年開園)では3~4月にサクラやコナラなどの倒木が相次ぎ、70代女性1人がけがをした。都立公園や動物園など都建設局が所管する97施設のうち、2025年度の倒木は86本。担当者は「急激に増えたわけではない」とするが、このうち3件は来園者がけがを負い、車両に当たるなどの物損も34件あった。

80万本を一斉点検、1万4000本に応急処置

都は4月、学校なども含めた都有施設で、高さ3メートル以上の高木約80万本を職員らが一斉点検した。枯れや枝折れなどを確認した約1万4000本は、伐採や剪定などの応急措置をした。今後、樹木医の診断を進め、植え替えも行う。人工知能(AI)による画像解析技術を活用した点検も試行的に導入している。

同局によると、都立公園・庭園の開園時期は、砧や善福寺など約30カ所が1965年以前。それより古い時期に既に公園のように使われていた場所もあり、植栽の記録が存在しない樹木や、鳥の糞や風で運ばれた種から自生した「実生木」もある。

小池百合子知事は8日の定例会見で「人に当たったり、事故につながるようなことがないように対策を進める」と述べた。

「かわいそう」寿命の木を切れず…でも最近は

都は倒木を防ぐため、点検・診断に基づき必要な伐採や植え替えを進めている。しかし伐採には自然保護などの点から反対意見もあり、安全対策とのバランスに苦慮している。

「危険だなと思っても、『かわいそう』などの意見が多く寄せられ、寿命を迎えた木を切れなかったこともある」。緑地管理に携わる都職員が明かす。別の公園関係者も「自然を守るという面から伐採には根強い反対がある。ただ、最近は安全面から必要との理解も進んできた」と話す。

都建設局によると、各公園では指定管理者が毎年、樹木を点検し、伐採や経過観察などをしている。伐採の必要性については事前の周知に努めている。

都は4月の一斉点検を踏まえ、緑地などを紹介するホームページ「東京グリーンビズマップ」に、立ち入り制限の情報を表示。野口昌一・公園維持保全専門課長は「風が強い日やその翌日などは落枝や倒木の危険がある。特に幹回りの太い木や高木には近づかないよう注意してほしい」と話す。

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