名古屋鉄道社員、業務時間外に乗務員室へ侵入し警笛を鳴らす不祥事
名鉄社員、業務時間外に乗務員室へ侵入し警笛

名古屋鉄道は8日、20代の男性社員が業務時間外に知人らと走行中の列車の乗務員室に侵入し、必要がないにもかかわらず警笛を鳴らしていたと発表した。この行為を撮影した動画が交流サイト(SNS)に投稿され、発覚に至った。名鉄は現在、当該社員の処分を検討している。

事件の概要

名鉄の発表によると、当時駅係員であった社員は2021年夏ごろ、業務時間外に知人2人とともに知多新線を走行中の列車の最後部乗務員室に侵入。警笛として音楽が流れる「ミュージックホーン」を作動させた。車掌は車内の見回りで不在だった。乗務員室は施錠されていたが、何らかの方法で鍵を開けて侵入したという。同日、名古屋本線を走行中の列車でも同様の行為が行われた。

動画の拡散と発覚

社員と知人らは行為の様子を撮影。その動画2本が4月30日に第三者によってSNSに投稿され、翌日になって社員が名鉄に関与を申告した。社員は現在車掌を務めており、「やってはいけないという認識があったが、知人に誘われて行為に及んでしまった」と釈明している。動画は100万回以上再生され、大きな注目を集めた。なお、乗務員室には加速やブレーキのハンドルがあるが、操作できない状態だったという。

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過去の類似事件と専門家の見解

名鉄では2022年にも、当時10代の男性が運行中の乗務員室に侵入し、ミュージックホーンを鳴らす事件が発生。男性は鉄道営業法違反の疑いで書類送検された後、不起訴となった。侵入方法について「誰かが鍵を開けた」と供述したとされる。

元JR西日本社員で関西大学教授の吉田裕氏(交通システム安全論)は、「乗務員室には非常ブレーキもあり、厳重なセキュリティーが求められる」と指摘。相次ぐ不法侵入の重大性を強調する。名鉄は22年の事件を受け、施錠設備の強化を進めているが、今回のように社員が侵入者となるケースではハード面の対策に限界がある。乗務員室への侵入は運行中の危険行為として禁じられているが、法定刑は2万円以下の罰金や科料にとどまるため、吉田教授はより重い罰則が必要だとみる。

SNSを契機とした不適切行為の露呈

SNS投稿をきっかけに鉄道会社員の不適切行為が明らかになる例は後を絶たない。2025年6月には、JR東海の男性運転士が、乗務中に列車の行き先表示を勝手に変えたり、私物の看板を掲げたりする様子を知人に撮らせ、SNSに載せていたことが発覚した。

吉田教授は「個人の資質の問題にするのではなく、職場のコミュニケーションを見直すなど会社が個人と向き合うことが大切」と話している。

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