航空機内でモバイルバッテリーから出火する事故が後を絶たない状況を受け、2026年4月から機内での使用に関する規制が一段と強化された。新たなルールでは、持ち込み可能なモバイルバッテリーは1人あたり2個までに制限され、機内でバッテリーを充電する行為が全面的に禁止された。航空各社は、座席上の荷物棚にバッテリーを入れないよう乗客に呼びかけるなどの対策を講じているが、それでも発煙や出火の報告は続いている。
リチウムイオン電池の危険性
モバイルバッテリーに広く使用されているリチウムイオン電池は、可燃性の電解液を含んでおり、内部が損傷するだけで容易に火災や煙を発生させるリスクがある。製品評価技術基盤機構(NITE)の担当者は、落下による衝撃や夏場の高温など、取り扱いには細心の注意が必要だと警鐘を鳴らす。また、バッテリーの変形や経年劣化も可燃性ガスの発生原因となり、特に充電時には電圧が上昇するため不具合が生じやすいという。
火災発生件数の急増
総務省消防庁の集計によると、2025年のモバイルバッテリーに起因する火災は前年比66%増の482件に達した。リチウムイオン電池全般の火災に範囲を広げると、1297件(同32%増)とさらに深刻な数字となっている。消防庁は、所有者数の増加に加えて、経年劣化が進んだバッテリーが多く流通していることが主な要因と分析している。
- 持ち込み制限:1人2個まで
- 機内での充電禁止
- 荷物棚への収納禁止
航空業界では、新たな規制の徹底とともに、乗客への周知方法の改善が急務とされている。機内アナウンスや搭乗前の案内を強化するなど、より効果的な情報伝達が求められている。



