東京都江戸川区新堀に、障害者や引きこもりなど働くことに不安や困難を抱える人々の新たな就労先として「デジタルラボえどがわ」が今月開所した。一般企業として雇用の受け皿となることを目指し、福祉サービスの一環で支払われる比較的低額な「工賃」ではなく、労働の対価として企業が支払う「賃金」を得られる働き方を実現する。
デジタルラボの概要と目的
ラボの作業室には大型コピー機や十数台のパソコンが並び、そろいの紺色のジャンパーを着た10人の就労者が働いている。彼らは知的障害や引きこもりの当事者たちだ。区によると、障害者が就労継続支援B型事業所で得られる工賃は月2万円程度で、区の調査では「経済的な不安を抱えている」と答えた人が多いという。
運営主体と支援体制
この取り組みは、NPO法人「自立支援センターむく」が主体となってラボを開設。区が土地を貸与し、日本財団が施設整備費などを補助した。ラボでは行政や民間企業からの依頼を受け、紙の文書をデジタルデータ化する業務を担当。現在はB型事業所として運営されているが、来年1月からは一般企業となり、就労者は東京都の最低賃金で働く予定だ。
具体的な業務と将来計画
本年度は区から4200万円分の作業を受託し、区の紙文書のデジタル化を進めている。今後は国立国会図書館の書籍デジタル化も視野に入れている。ラボで働く男性(25)は「今までの内職とは違う作業で最初は緊張したが、新しいことを覚えるのは大変でも発見が多く、皆で話し合って工夫するのは楽しい」と語った。
開所式での区長の期待
20日に行われた開所式で、ラボを見学した斉藤猛区長は「皆さん生き生きと働き、輝いている。仕事をしっかりやってくれていて、自立支援や福祉の観点からも期待に応えている」と述べ、就労者の活躍に目を細めた。



