アイヌ遺骨返還訴訟、5月にも提訴へ
北海道新ひだか町のアイヌ民族団体が、国の施設に保管されているアイヌの遺骨と副葬品の引き渡しを求め、2026年5月8日にも札幌地方裁判所に国を提訴する方針であることが、代理人弁護士への取材で明らかになりました。この動きは、アイヌ民族の遺骨をめぐる長年の問題に新たな局面をもたらすものです。
提訴の背景と原告団体
原告となるのは、2019年に設立されたアイヌ団体「シベチャリアイヌトライブ」です。同団体は、北海道大学、東京大学、札幌医科大学が過去に研究目的などで新ひだか町で収集した200体を超える遺骨の返還を求めています。これらの遺骨の多くは個体の特定が困難な状態にあります。
遺骨の現在の保管状況
現在、これらの遺骨は身元特定が難しいとして、北海道白老町にあるアイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」内の慰霊施設に集約されています。各大学は遺骨に関する権利を放棄しており、現在は国土交通省が保管を担っています。
原告側の主張
遺骨の所有権は法令上、祭祀を継承する者が有するとされていますが、原告側はアイヌ民族にはそうした観念はなく、葬儀や埋葬を担ってきたアイヌ側に権利があると主張しています。また、国が定める遺骨の地域返還に向けた指針についても、返還後の供養方法を明らかにして申請を求めるなど、アイヌの権利侵害に当たると指摘しています。
この訴訟は、アイヌ民族の文化と尊厳をめぐる重要な争点となりそうです。



