茨城県内で、サッカーJ1鹿島アントラーズのクラブハウス移転問題が波紋を広げている。クラブが隣接する潮来市への移転検討を発表したことを受け、現在のクラブハウス所在地である鹿嶋市の田口伸一市長が24日に会見を開き、「強い憤りを覚える」と述べ、撤回を求める事態となった。
移転計画の経緯
鹿島アントラーズは22日、老朽化と育成環境充実のためのスペース不足を理由に、潮来市へのクラブハウス移転を検討していると発表。最終決定ではないとしながらも、2027年2月ごろをめどに結論を出す方針を示した。現在のクラブハウスは1993年に完成し、グッズ売り場や練習場などを備える。
潮来市はさらに踏み込み、整備予定地を東関東自動車道潮来インターチェンジ周辺とし、2031年度完成を目標にしていると公表。クラブ側から交通アクセスの良さや事業用地の広さに好感触を得ていると述べ、昨年6月に提案書を提出し意見交換を始めたことを明かした。
鹿嶋市の反発
鹿嶋市の田口市長は会見で、クラブ創設以来、地域全体で支えてきた歴史を強調。「これまで築いてきた信頼関係を大きく損なう行為であり、市を挙げて反対する」と強い口調で述べた。また、クラブ側から正式な情報提供がなかったと不満をにじませた。市の担当者も「長年の関係を考えれば、公にする前に市長への直接説明があるべきだった」と話す。
鹿島アントラーズの本拠地であるメルカリスタジアムは今後も鹿嶋市内に残るが、市の担当者は「クラブハウスはファンが集う象徴的な施設。市外移転は本拠地ブランドの低下につながる」と懸念を示した。
今後の行方
アントラーズはこの件に関する取材対応をしておらず、潮来市の担当者は「鹿嶋市の反応に戸惑っているが、検討作業を粛々と進めることに変わりはない」と強調している。両市はともに、アントラーズのホームタウン5市に名を連ねている。



