岐阜県警は22日、科学捜査研究所の小森領太専門研究員(41)が、市販の試薬を用いた簡易で安価な唾液識別法を開発したと発表した。窃盗事件や性犯罪などで唾液は広範に遺留され、立証価値が高い。小森さんは「事件解決や、裁判の証拠価値向上に貢献したい」と述べ、実際の導入に向け引き続き研究に取り組む。
新たな唾液識別法の開発背景
唾液の立証は、唾液型アミラーゼの存在で行うが、精液や植物、食品などにもアミラーゼがあるため特異性が低いという課題があった。岐阜大大学院で令和2年から研究した小森さんは、唾液型アミラーゼのみを壊す膵炎用の診断試薬に着目。別の型のアミラーゼには反応しない特性を逆手に取り、この試薬を応用した識別法を開発した。
開発手法の特徴と利点
- 低コスト:市販の試薬を使用するため、従来法よりもコストを抑えられる。
- 高い特異性:唾液型アミラーゼのみを検出し、他のアミラーゼと区別できる。
- 同等以上の感度:検出の感度は従来法と同等以上であることが確認された。
今後の展望と課題
小森さんはこの研究を論文にまとめ、先月、農学博士の学位を取得した。しかし、研究で使用したキットが終売したため、今後は後続のキットで同様の結果が出るかどうかを検証する必要がある。実用化に向けて、さらなる研究を進める方針だ。
この新技術は、警察の科学捜査における証拠能力の向上に寄与すると期待されており、今後の事件解決に役立つ可能性がある。



