民事裁判デジタル化、記者がアカウント作成で感じた疑問と実態
民事裁判デジタル化 記者がアカウント作成で感じた疑問

民事裁判の全面デジタル化、その実態とは

2026年5月21日、全国の裁判所で民事裁判の全面デジタル化がスタートしました。これまで紙と対面が中心だった手続きが大きく変わり、訴訟当事者は書類の提出や受け取りをオンラインで行えるようになりました。しかし、実際に使ってみると、いくつかの疑問点が浮かび上がります。

記者(27歳)は東京地裁・高裁の民事裁判を担当しており、取材のために「裁判記録」を閲覧することがあります。裁判記録とは、原告や被告の主張をまとめた書面や、事実関係を示す証拠書類などのことです。裁判の手続きでは「公開」が重視されているため、記録の閲覧は「誰でも請求できる」と民事訴訟法で定められています。

これまでは、裁判所の閲覧室に行き、申請書に150円分の収入印紙を貼って提出すると、その場で分厚い紙の資料が手渡されました。撮影やコピーはできず、記者は自分のノートパソコンに書き写して報道に役立てていました。

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新システム「mints」でのアカウント作成

今回の全面デジタル化により、弁護士や司法書士には資料のオンライン提出が義務づけられました。2026年5月21日以降に提訴された裁判では、記録の閲覧方法も変わります。裁判所の専用システム「mints(ミンツ)」でアカウントを作成しておけば、事前に閲覧申請が可能になり、よりスムーズに閲覧できるとされています。

一般の人もアカウントを作成できるようになったため、記者もさっそく試してみました。

予想外のタイムラグに遭遇

午前11時30分、作業を開始しました。まず、mintsのウェブサイトにアクセスし、アカウント作成画面を開きます。必要事項を入力し、本人確認書類をアップロード。すると、「審査には数日かかります」というメッセージが表示されました。記者はすぐに使えると思っていたため、このタイムラグに驚きました。

さらに、審査が完了した後も、実際に記録を閲覧するには裁判所に事前申請が必要で、その際も即時対応ではなく、数時間から数日かかる場合があるとのこと。これでは、緊急の取材には対応できません。

また、システムの操作性にも課題があります。画面が複雑で、目的の機能にたどり着くまでに何度もクリックが必要です。特に、高齢の弁護士やITに詳しくない人にとっては、使いこなすのが難しいでしょう。

デジタル化のメリットと課題

デジタル化のメリットとしては、遠方の裁判所の記録も自宅や事務所から閲覧できる点が挙げられます。また、紙の資料を運ぶ必要がなくなり、環境にも優しいです。しかし、システムの安定性やセキュリティ面での懸念もあります。実際に、導入初日には一部の裁判所でシステムに接続できないトラブルが発生しました。

最高裁は「民事裁判IT化」を掲げてシステム開発を進めてきましたが、開発の遅れや予算超過が報じられています。今回の全面デジタル化は、その完成形とは言えず、今後の改善が期待されます。

記者としては、デジタル化によって取材の効率が上がることを期待していましたが、現状ではまだ課題が多いと感じます。今後、ユーザーの声を反映した改良が進むことを願います。

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