俺だって信じていないわけじゃない。代表室を出ると、日村はそう思った。ただ、何が起きているのかわからず、うろたえているのだ。
事務所にいる若い衆はテツだけだった。稔と真吉は、日村の言いつけどおり、健一のことを調べるために出かけていったようだ。
「おまえは留守番か?」日村が尋ねると、テツは眼鏡の奥の表情のない眼を向けてきた。
「ネットニュースやSNSを調べています」
「……で、何かわかったのか?」
「怖いやつに脅されたので、警察沙汰にしてやったという投稿があります」
「それ、健一のことなのか?」
「わかりません」
「この界隈のやつが投稿したのか?」
「どこの誰が投稿したのかは、わかりません」
「じゃあ、健一とは無関係かもしれないんだな?」
「そうかもしれません」
「じゃあ、参考にならないな」
「ただ……」
「ただ、何だ?」
「この投稿者に的を絞って、他の投稿の内容を調べています。関係あるかないかわかるかもしれません」
日村はうなずいた。こういうことはテツに任せるしかない。「続けてくれ」



