国内外の専門家が結集し、日本の戦犯裁判に関する研究の集大成となる書籍「総決算 対日戦犯裁判」(講談社)が2026年に出版された。本書は、極東国際軍事裁判(東京裁判)をはじめ、各国が日本の戦争犯罪を裁いた戦犯裁判を多角的に検証している。
研究の背景と参加者
編者の広島市立大学広島平和研究所の永井均教授は、「戦犯裁判を俯瞰した研究の現時点での到達点」と位置付ける。同研究所の「対日戦犯裁判の比較研究」プロジェクトには複数の専門家が参加し、その成果を基に、オランダの研究者や国際刑事裁判所(ICC)の元裁判官らも執筆に加わった。
内容の特徴
第2次世界大戦後の戦犯裁判の功罪や実態について、各国の最新資料を踏まえ検証。上官と実行者の責任論、朝鮮人や台湾人が戦犯とされたケース、性暴力など多角的な視点を盛り込んでいる。また、ロシアのウクライナ侵攻などに伴い、戦争犯罪が現在進行形の問題であることを強調。核兵器使用と戦争犯罪の関係も取り上げられた。
研究の意義
本書は、戦犯裁判研究の現時点での集大成として、今後の研究の基盤となることが期待される。資料開示が進む中で、新たな視点からの分析が加えられ、歴史認識の深化に寄与するだろう。



