全遺伝子情報解析の新たな拠点が誕生 国立がんセンター内に「日本ゲノム医療推進機構」設立へ
厚生労働省は2月16日、がんや難病の患者のゲノム(全遺伝情報)を網羅的に解析し、データの収集や保管などを担う「日本ゲノム医療推進機構」を、国立がん研究センター内に来月設立する方針を正式に示しました。この取り組みは、ゲノム全体の解析で得た情報を診断や治療に活用する「全ゲノム解析等実行計画」の重要な一環として位置づけられています。
ゲノムデータと臨床情報を統合管理 年間7千件の解析を目指す
新設される機構では、医療機関が患者の同意を得て提供を受けた検体を詳細に解析し、貴重なゲノムデータを収集します。さらに、患者の基本情報や治療歴などの臨床情報とともに、これらのデータを安全に保管する体制を整えます。解析結果はリポートとしてまとめられ、医療機関側に返却されるほか、将来的には企業や研究機関が創薬や治療法開発にデータを活用できるよう、環境を整備していく計画です。目標として、年間7千件の解析を掲げています。
ゲノム医療の推進で個別化治療への道筋を明確に
この機構の設立は、日本の医療現場において、ゲノム情報を基にした個別化治療を本格的に推進するための基盤づくりとして期待されています。従来の治療法では対応が難しかったがんや難病に対して、遺伝子レベルでの解析を通じて、より効果的な治療法の開発や早期診断の実現が可能になると見込まれています。また、データの共有体制を整えることで、研究開発のスピードアップや医療コストの削減にもつながることが期待されています。
厚生労働省は、機構の運営を通じて、医療の質の向上と患者の福祉増進に貢献したい考えを示しています。今後は、関係機関との連携を強化し、国際的なゲノム医療の動向にも対応しながら、日本の医療技術のさらなる発展を目指していく方針です。