訪問看護の診療報酬引き下げ決定 ホスピス型住宅での過剰請求に対応
ホスピス型住宅の訪問看護報酬引き下げ 厚労省が6月から実施 (14.02.2026)

ホスピス型住宅の訪問看護報酬を大幅引き下げ 厚労省が6月から実施へ

厚生労働省は14日までに、有料老人ホームなどで多数の入居者へ頻繁にサービスを提供する訪問看護ステーションについて、診療報酬を大幅に引き下げることを正式に決定しました。この措置は、末期がんや難病患者向けの「ホスピス型住宅」と呼ばれる施設において、必要がない過剰な回数の訪問看護による報酬稼ぎが横行している実態を受けた対応となります。

包括払い制度の導入で報酬上限を半減

診療報酬は通常、医療行為をした分だけ支払われる「出来高払い」方式が採用されていますが、今回の改定ではホスピス型住宅のような同一建物での訪問看護を対象に、定額制の「包括払い」を新たに導入することが明らかになりました。

現在の制度では、入居者1人当たり最大で月80万~90万円の報酬を得ることが可能ですが、包括払いを選択した場合、最大でも月45万円程度にまで大幅に減少します。この変更は、2年に1回実施される診療報酬改定の一環として位置づけられており、2024年6月から実際に適用される予定です。

運営事業者には選択肢を提供 短時間訪問にも規制

運営事業者には、従来通りの出来高払い方式を継続して選択する道も残されていますが、多人数への頻繁な訪問については同様に報酬が引き下げられることになります。公的医療保険が適用される訪問看護は原則として「30分以上」の訪問が定められていますが、一部のホスピス型住宅では数秒から数分間の短時間訪問でも報酬を請求する事例が確認されていました。

厚生労働省はこうした実態に対処するため、出来高払い方式を選択した場合でも、20分未満の訪問では報酬を請求できないようにする規制を強化します。これにより、短時間の形式的な訪問による不当な報酬獲得を防止する狙いがあります。

背景にある医療費適正化の取り組み

今回の診療報酬引き下げ決定は、医療保険財政の健全化と医療費の適正化を図る厚生労働省の重要な政策の一環です。ホスピス型住宅は終末期医療を提供する重要な施設である一方、訪問看護サービスをめぐる報酬体系に抜け穴が存在し、制度の濫用が懸念されていました。

  • 訪問看護ステーションによる過剰なサービス提供
  • 短時間訪問での不当な報酬請求
  • 医療保険財政への負担増大

これらの問題点を解消するため、厚生労働省は実態調査を実施し、今回の抜本的な報酬体系見直しに踏み切りました。2026年2月までに完全に実施される予定のこの改革は、医療サービスの質を維持しながら、無駄な医療費支出を削減することを目的としています。