野村総合研究所が衝撃的な試算を公表 イラン軍事作戦が日本経済に与える深刻な影響
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは3月1日、米国とイスラエルの対イラン軍事作戦に関連する経済影響の試算を公表しました。その内容は極めて深刻で、日本の実質国内総生産(GDP)が最大で0.65%押し下げられる可能性があると指摘しています。最も悲観的なシナリオでは、日本が景気後退に陥るリスクも示唆されました。
ホルムズ海峡閉鎖が日本経済に与える致命的な打撃
試算の核心は、イランに接するホルムズ海峡の重要性にあります。木内氏は「日本は原油輸入の94%を中東地域に依存しており、それに用いられるタンカーの8割がホルムズ海峡を通るとされる」と強調しました。同海峡はペルシャ湾から原油を輸送する際の出口に当たり、その閉鎖は「日本への深刻な打撃になる」と警鐘を鳴らしています。
最悪のシナリオ:原油価格の急騰と物価上昇
最も悲観的な想定では、以下の条件が設定されました:
- イランがホルムズ海峡の完全封鎖に踏み切る
- 原油先物相場の国際指標である米国産標準油種(WTI)が現在の1バレル=60ドル台から2倍超の140ドルまで急騰
- 日本の物価が1年間で1.14%上昇する
このシナリオが現実化した場合、日本経済は大きな打撃を受けることになります。
比較的軽微な影響シナリオも提示
一方で、軍事衝突の影響が限定される場合の試算も示されました。昨年6月と同程度の影響に留まり、WTIの上昇幅が10ドル程度に収まれば、日本のGDPへの影響は0.09%の押し下げにとどまると予測されています。しかし、木内氏は「現状の国際情勢を鑑みると、楽観的な見通しは難しい」と述べ、警戒を促しています。
この試算は、中東情勢の緊迫化が遠く離れた日本経済に直接的な影響を与えうることを改めて示すものです。エネルギー安全保障の重要性が増す中、政府や企業の対応が急務となっています。



