副首都構想の要件緩和で全国展開へ 自民・維新が特別区設置の必須化見送りで合意
自民党と日本維新の会は2月27日、連立政権合意書に明記された「副首都構想」の具体化に向けた協議を行い、副首都の指定にあたって特別区の設置を必須の要件としない方針を確認した。この決定により、維新が長年推進してきた「大阪都構想」を前提とせず、全国の様々な都市が副首都候補として名乗りを上げやすくなる環境が整うこととなった。
実務者協議で合意形成 関連法案提出へ詰めの作業急ぐ
両党の実務担当者は国会内で協議を重ね、この方針で一致した。現在の国会への関連法案提出を目指して、具体的な制度設計に向けた詰めの作業が急ピッチで進められている。協議後に記者団に対応した自民党の鈴木英敬衆院議員は、「特別区の設置に限定せず、複数の方法で副首都の設置を可能とすることで合意に至った」と説明した。
これまで維新側は、「大都市地域特別区設置法」(通称・大都市法)に基づく特別区を設置した地域に副首都の対象を限定するよう強く主張していた。日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は、「都道府県と政令指定都市が二重行政を続けている地域では、副首都としての機能を果たせない」との見解を繰り返し表明していた。
大阪以外の都市参入障壁を解消 全国的な展開目指す
しかし、大都市法は大阪市を廃止して特別区に再編する大阪都構想の根拠法であり、大阪以外の地域では具体的な検討がほとんど進んでいないのが実情だ。特別区の設置を前提条件とすれば、大阪以外の都市が副首都に立候補することは事実上不可能となり、自民党側からは「大阪を地盤とする維新による我田引水との批判を招きかねない」との懸念が示されていた。
このため、両党による協議は長らく平行線をたどっていた。国会議員の大半が大阪選出である維新と、全国に支持基盤を持つ自民党の間には、政策に対するスタンスに明確な違いがあった。特に維新にとって、副首都構想は「本丸」とも言うべき重要政策であり、当初は強い姿勢で臨んでいた。
政局の変化が転機に 参院でのハードルは依然残る
局面が変化したのは、先に行われた衆議院選挙の結果が大きな要因となった。自民党の歴史的大勝を受けて、維新は従来の主張を貫き通すことが困難と判断。関連法案の早期成立を優先する方向に方針転換したのである。
ただし、両党は参議院では過半数を確保しておらず、関連法案の成立に向けた政治的ハードルは依然として高い。維新の実務担当者の一人は、「ようやくスタートラインに立った段階だ」と現状を語り、今後の協議の行方に注目が集まっている。
今回の合意により、副首都構想は大阪に限定された議論から、全国の都市が参加可能な国家的プロジェクトへと性格を変えつつある。今後の制度設計において、どのような都市が副首都として適格と判断されるのか、具体的な基準の策定が次の焦点となる見通しだ。



