米最高裁の違法判決後も対米投資継続へ、経済官庁幹部が日本側の利益を強調
米連邦最高裁判所がトランプ前政権が発動した「相互関税」などの措置を「違法」と判断したことを受け、日本の経済官庁の幹部が2026年2月21日、読売新聞の取材に応じた。幹部は「トランプ政権は関税を武器としてきた歴史がある。簡単に諦めるとは考えにくく、今後どのような方法をとるか注視していく必要がある」と述べ、警戒感を示した。
日米合意に基づく対米投資は日本にも利益、違法判決後も実施へ
日米両国は昨年7月、米側が相互関税や自動車関税を引き下げる代わりに、日本側が5500億ドル(約85兆円)規模の対米投資を行うことで合意している。この合意について、別の経済官庁幹部は「対米投資は日本企業の市場拡大や技術協力の機会をもたらし、日本経済にも利益があるものだ。したがって、違法判決が出たとしても、合意に基づく投資は実施することになる」との認識を明らかにした。
幹部はさらに、投資プロジェクトは長期的な視点に立って計画されており、短期的な司法判断によって簡単に変更されるものではないと強調。日本側としては、米国の政治情勢や法的手続きの進展を注視しつつ、戦略的な投資を推進していく方針を示唆した。
相互関税を巡る訴訟では日本企業が米国政府を提訴、リコーがコメント
相互関税などの措置を巡っては、関税の徴収を受けた日本企業などが米国政府を相手取って訴訟を起こしている。この問題に関連し、提訴企業の一つであるリコーの広報担当者は取材に対し、「司法判断の内容については、現在精査が必要であると認識している」とコメント。企業側としても、判決の影響を慎重に分析している状況がうかがえる。
訴訟の背景には、トランプ政権時代に導入された関税措置が日本企業の事業活動に与えた影響への不満があるとみられる。日本経済界では、関税撤廃や軽減を求める声が根強く、今後の米国の政策動向が注目されている。
経済官庁幹部は、日米間の経済関係を安定させるためには、対話と協調が不可欠だと指摘。違法判決を機に、両国間の貿易摩擦が再燃しないよう、外交ルートを通じた調整を続けていく意向を示した。また、投資合意の履行を通じて、日米経済の相互利益を最大化することが重要だと述べている。



