ドイツ、欧州最強の通常戦力を目標に防衛戦略を改定 ロシア脅威に対応
ドイツ政府は、ウクライナ侵攻を継続するロシアの脅威が高まっていることを受け、新たな防衛戦略を策定した。国防省が22日に文書の一部を公表し、「欧州最強の通常戦力」を保有する軍の構築を明確な目標として掲げた。この動きは、トランプ米政権が欧州の安全保障への関与に消極的な姿勢を示す中、ドイツが地域の防衛責任を強化する決意を反映している。
米国の方針転換を背景に欧州の責任増大
防衛戦略文書は、米政権が西半球やインド太平洋を重視する方針であることを指摘。NATOの抑止力を維持するためには、「ドイツが追加的な任務を引き受けることが必要だ」と強調し、欧州のために通常戦力による戦略的責任を重点的に担う姿勢を示した。これは、従来の安全保障枠組みの見直しを迫る国際情勢の変化に対応したものだ。
兵力増強の具体的な目標を設定
戦略では、2035年までに兵力を現在の約18万5千人から約26万人に増強する目標も明記された。この計画は、以下の点を重視している。
- ロシアの継続的な脅威への対処能力向上
- 欧州域内での防衛協力の強化
- 通常戦力の近代化と即応性の確保
ドイツのピストリウス国防相は、ベルリン郊外での軍訓練の場で、「欧州の安全保障環境は劇的に変化しており、ドイツはそれに応じた役割を果たさなければならない」と述べ、戦略の重要性を強調した。
国際的な反応と今後の展望
この防衛戦略の改定は、欧州連合(EU)内での安全保障議論にも影響を与える可能性が高い。ウクライナ侵攻を巡る国際的な緊張が続く中、ドイツが主導的な役割を担うことで、欧州全体の防衛体制の再構築が進む見込みだ。専門家は、「ドイツの姿勢は、米国の関与減少を補完する欧州の自立性向上に向けた重要な一歩である」と評価している。



