トランプ米大統領は、関税政策を巡りパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長との対立が深刻化する中、議長解任の可能性に言及した。関係筋によれば、トランプ氏は関税による物価上昇を抑制するために利下げを求める一方、パウエル氏はインフレ再燃を警戒し慎重姿勢を崩していない。
トランプ氏の意向と背景
トランプ氏は24日、複数の側近に対し、パウエル氏の解任を検討するよう指示したとされる。大統領はFRBの独立性を尊重する立場をこれまで示してきたが、関税政策の効果を最大化するため、金融政策の協調が不可欠との考えを強めている。特に、関税引き上げによる輸入コスト増が消費者物価に転嫁されるのを防ぐため、金利低下による景気刺激が必要だと主張している。
市場の反応
この報道を受け、ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨に対して下落。株式市場も売り優勢となり、ダウ工業株30種平均は一時300ドル超下落した。債券市場では長期金利が上昇し、投資家のリスク回避姿勢が鮮明となった。市場関係者からは、FRBの独立性が政治的に脅かされることへの懸念が強く、今後の金融政策運営に不透明感が漂っている。
FRB議長解任の法的問題
連邦準備法では、FRB議長の解任は「正当な理由」に限定されており、政策の不一致のみでの解任は法的に困難との見方が一般的だ。しかし、トランプ政権は、法律の解釈次第では可能と主張する可能性もある。過去に歴代大統領がFRB議長の解任を試みた事例はあるが、いずれも実現していない。専門家は、解任が現実化すれば、金融市場の混乱は避けられず、米経済に深刻な打撃を与えると警告する。
今後の展望
トランプ氏とパウエル氏の対立は、今後も続くとみられる。FRBは5月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送る可能性が高く、トランプ氏の不満はさらに強まるだろう。一方、議会内ではFRBの独立性を守るべきとの声が強く、解任が実現する可能性は低いとの見方が大勢だ。しかし、トランプ氏の予測不能な行動が市場を揺さぶり続けることは間違いない。今後の動向が注目される。



