中国、西沙諸島で新たな軍事拠点を造成
高市早苗首相が訪問したベトナムは南シナ海で中国と領有権を争っている。台湾とともに領有権を主張する西沙(英語名パラセル)諸島は1974年以降、中国が実効支配しているが、新たな大規模造成が明らかになった。米紙は「最大の軍事拠点」となる恐れもあると指摘している。
米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は今年3月、衛星画像の分析から中国が西沙諸島の羚羊(アンテロープ)礁で大規模な人工島を造成し、長い滑走路を建設して南シナ海での前哨基地として利用する可能性があると発表した。この報道を受け、ベトナム外務省報道官は「違法で無効な外国の活動だ」と反発した。
2014年には中国が西沙諸島付近で石油掘削を強行し、ベトナムが強く反発。両国の公船や漁船の衝突が相次いだ。当時は中国側が掘削施設を撤収したことで緊張緩和が図られたが、シンガポールのISEASユソフ・イシャク研究所のグエン・カック・ザン氏は、現在も西沙諸島周辺で漁民や沿岸警備隊の衝突は起きており「紛争が消え去ったわけではない」と述べている。
背景と今後の影響
南シナ海は海洋資源が豊富で、国際的な海上交通の要衝でもある。中国の軍事拠点化は地域の安全保障に重大な影響を与える可能性がある。ベトナムは中国との領有権問題を国際法に基づいて解決したい考えだが、中国の実力行使に懸念を強めている。



