多国籍住民が共生する愛知・西尾の団地、自治会長再任も外国人に不安広がる
多国籍住民の団地、自治会長再任も外国人に不安

4月並みの陽気となった2月22日の朝。愛知県西尾市の「県営新渡場住宅」では、パーカやダウンジャケットなど動きやすい服装に身を包んだ多国籍の約50人が、清掃活動に励んでいた。団地を囲うフェンス沿いに生える雑草を刈り取り、排水溝にたまった落ち葉を拾う。30分ほどで集めたごみは、10袋超に上った。

自治会長の献身的な姿が住民を動かす

清掃活動が一段落した後、敷地内の集会場で開かれた総会で、2022年から自治会長を務める日系ブラジル人3世のワタナベ・マテウス・ハジメ(42)は、こう切り出した。「みなさんがよければ、今年も私がやりますよ」。会場に大きな拍手が響き渡り、満場一致で再任が決まった。

5階建ての2棟からなる新渡場住宅では、会長と会計責任者、4人の班長らが自治会運営を担う。ワタナベは総会をスムーズに進めるため、あらかじめ適任者を選び、役職を引き受けてもらえるよう「根回し」していた。

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1年前からこの住宅で暮らす日本人住民の原田清(63)は、班長を引き受けた理由を「これだけ頑張っているハジメさんが言うんだから」と説明する。清掃活動の際に率先して草刈りをしたり、道具の手入れをしたりするワタナベの姿に感じ入ったという。

外国人住民の間で広がる新たな不安

2022年に入居したベトナム人住民のグエン・チュ・ズン(36)も「(新渡場住宅は)ルールがいいですね。子供にも安全だなと思っておりますね」と話す。

ただ、住民たちの間には今、新たな不安の種が芽生えている。外国人に対する日本社会の厳しい視線だ。「僕は正直、心配はないです。だけど、(周りでは)ビザ更新で落ちないかな、とか心配してるですね」とグエンは表情を曇らせた。

深刻な人手不足の中での課題

本連載「ホーミー」では、深刻な人手不足にあえぐ日本で、今や欠かせない存在となった外国人労働者に焦点を当てている。言葉や習慣の違いから地域との摩擦が絶えず、社会の変貌を懸念する声は根強い。改正入管難民法が施行された1990年以降、「デカセギ」で来日し、地域の担い手になりつつある日系ブラジル人を中心に、軋轢を乗り越えながら共生を目指すホーミー(米国のスラングで仲間たちの意)の姿を描く。

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