かつて世界最大の氷山「A23a」が細かく砕け散り、40年の歴史に幕
ロシアの北極・南極学術調査研究所は4月21日、南大西洋のサウスジョージア島沖を漂流していたかつて世界最大の氷山「A23a」が細かく砕け散って99%の面積を失い、40年の歴史に幕を閉じたと発表しました。
南極大陸から分離した巨大氷山の変遷
A23aは元々、南極大陸で2番目に大きなフィルヒナー・ロンネ棚氷の一部でした。1986年に分離した当時、その面積は約4170平方キロメートルと、石川県、福井県、徳島県、長崎県の各県にほぼ匹敵する広大なものでした。しかし、外洋に押し出されてからは徐々に縮小を続けていました。
昨年9月には「世界最大の氷山」の地位から転落し、今年1月時点では1300平方キロメートルまで減少していました。 研究所によると、現時点では50平方キロメートル未満にまで縮小しており、実質的に消滅した状態となっています。
衛星写真で確認された砕け散る様子
ロシアの北極・南極学術調査研究所が提供した衛星写真には、3日時点で砕けて分離する氷山「A23a」の様子が捉えられています。この画像は共同通信を通じて公開され、氷山の最終的な姿を記録する貴重な資料となりました。
40年にわたる漂流の末、かつての威容はほとんど失われ、細かな破片となって海に溶け込んでいく過程が明らかになりました。
気候変動との関連性と今後の影響
専門家は、A23aの消滅が気候変動の影響を示す一例である可能性を指摘しています。南極の棚氷から分離した巨大氷山が長期間漂流し、最終的に砕け散る現象は、地球温暖化に伴う海氷の減少や海水温の上昇と無関係ではないと考えられています。
- 1986年:南極のフィルヒナー・ロンネ棚氷から分離、面積約4170平方キロ
- 2023年9月:世界最大の氷山の地位から転落
- 2024年1月:面積が1300平方キロに減少
- 2026年4月:面積の99%を失い、50平方キロ未満に
このような巨大氷山の消滅は、海面上昇や海洋生態系への影響など、さまざまな環境変化を引き起こす可能性があります。今後も南極周辺の氷河や棚氷の動向には注意深い観察が必要とされています。



