金融庁がコーポレートガバナンス・コード修正案を提示、脱マニュアル化で「攻めのガバナンス」実現へ
金融庁は4月3日、改定作業を進めているコーポレートガバナンス・コード(CGコード)の修正案を有識者会議に示しました。この修正案は、上場企業が守るべき原則を中心に再構成し、「脱マニュアル化」を目指す内容となっています。特に、現預金などの経営資源が「ため込み過ぎ」と指摘される中、それらが経営戦略に照らして適切に配分されているかを不断に検証することを企業に求めています。
CGコードの歴史と評価
CGコードは、経済政策「アベノミクス」を掲げた第2次安倍晋三政権下で成長戦略の一つとして2015年に策定されました。英国流の「順守せよ、さもなくば、従わない理由を説明せよ(コンプライ・オア・エクスプレイン)」を前面に出し、社外取締役の定着など、上場企業の意識改革を進めてきたと評価されています。しかし、社外取締役の「数合わせ」など形式ばかりにとらわれているとの指摘もあり、今回の改定では、基本原則を補完するために細かく記述していた「補充原則」を削除しました。
原則主義への転換とスリム化
修正案では、最終的な判断を企業に委ねる「原則主義」を採用し、コードのスリム化を図っています。企業が守るべき原則と解釈指針により構成され、序文の冒頭には「『守り』にとどまらず、『攻め』のガバナンスの実現をめざす」と明記されました。金融庁幹部は「法令順守だけでなく、稼ぐ力とのバランスを意識した」と解説しており、より柔軟で戦略的なガバナンスを促す意図が伺えます。
経営資源の適切な配分を要求
修正案では、現預金などの経営資源が経営戦略に照らして適切に配分されているか、不断に検証することを企業に求めています。これは、「ため込み過ぎ」と批判される日本企業の現状を改善し、人的資本への投資を促進する狙いがあります。金融庁は、企業が単なる法令順守に留まらず、積極的な成長戦略を実現するためのガバナンス体制の構築を期待しています。
今後の展開と影響
この修正案は、上場企業のガバナンス改革をさらに推進するもので、アクティビスト(物言う株主)との関係や株主提案の厳格化など、関連する会社法の見直し案とも連動しています。金融庁は、企業が「攻めのガバナンス」を通じて競争力を高め、持続的な成長を実現することを目指しており、今後の企業経営に大きな影響を与えることが予想されます。



