富岡市が市庁舎屋上に太陽光発電設備を導入、オンサイトPPA方式で脱炭素化を推進
群馬県富岡市は、温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みの一環として、市役所行政棟と子育て健康プラザの屋上に太陽光発電設備を設置し、今年4月から本格稼働を開始した。このプロジェクトでは、電力の需要者である市が発電事業者に場所を提供し、電力を購入するPPA(電力販売契約)方式を採用しており、市側に初期投資がかからないことが大きな特徴となっている。
市によると、電力を利用する場所で発電を行う「オンサイトPPA」方式の稼働は、群馬県内の自治体では初めての事例となる。この画期的な取り組みにより、富岡市は脱炭素社会の実現に向けて大きく前進することになった。
年間発電量とCO2削減効果
年間の想定発電量は、市行政棟が約8万2千キロワット時、子育て健康プラザが約4万8千キロワット時で、合計約13万キロワット時に達する。これは、それぞれの施設の年間消費電力の約20%と約30%を賄う計算となる。温室効果ガス排出量の削減効果としては、年間約58トンの二酸化炭素(CO2)削減を見込んでいる。
さらに、両施設には蓄電池も備えられており、災害による停電時などには、対策本部などへの電力供給が可能となる。これにより、防災力の強化にも貢献することが期待されている。
事業者との連携と契約内容
契約先は、富岡市内で都市ガスを供給する「エネクル」(埼玉県)で、同社が発電設備を設置し、発電事業を行う。技術支援は東京ガス(東京都)が担当し、市はエネクルから電力を購入する仕組みだ。
本格稼働を前に、富岡市、エネクル、東京ガスの3者は市役所で記者会見を実施。エネクルの堀川雅治会長は「地域の脱炭素化に向けた大きな一歩だ。連携をさらに深め、再生可能エネルギーの普及、防災力の強化、地域の暮らしを支えるさまざまな取り組みを進めていきたい」と意気込みを語った。
脱炭素社会実現への歩み
富岡市は2022年、エネクルの親会社である「堀川産業」(埼玉県)および東京ガスと、脱炭素社会実現に向けた包括連携協定を締結。さらに2023年には、温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティー」を宣言するなど、環境対策に積極的に取り組んできた。
今回の太陽光発電設備の導入は、これらの取り組みを具体化する重要なプロジェクトであり、持続可能な地域づくりに向けたモデルケースとして注目を集めている。富岡市は今後も、再生可能エネルギーの活用を通じて、環境負荷の軽減と地域経済の活性化を両立させていく方針だ。



