楢葉町で「波倉産業団地」の整備が始動、復興のシンボルとして期待
楢葉町が「復興のシンボル」と位置づける「波倉産業団地」の整備が、いよいよ始まりました。この産業団地には、国内最大級となる最大出力150メガワット規模の系統用蓄電所が設置され、再生可能エネルギー関連産業の集積を進める計画です。廃炉が進められている東京電力福島第2原発に隣接する町内の波倉地区で、17日に産業団地敷地造成工事の安全祈願祭・起工式が執り行われました。
広大な敷地で基盤整備を実施、地元企業が施工を担当
開発面積は約17ヘクタールで、以前は環境省の特定廃棄物セメント固形化施設などがあった場所です。町が建設用地を取得し、新年度中に造成工事が完了する予定です。その後、民間企業のナラハ・サステック(東京)に土地を貸し、同社などが「楢葉再エネパーク」として全体のプロデュースを進めます。
造成工事の施工者は、地元企業の「ユタカ・橋本JV」と「五大・草野JV」が担当します。用地の基盤整備に加え、町道改良や細谷川改修も行うことで、地域のインフラ強化も図られます。安全祈願祭では、松本幸英町長らがくわ入れを行い、無事故・無災害を願いました。松本町長は「新産業を集積させて、地域経済を活性化させ、まちづくりの礎になると確信している」と述べ、期待を込めました。
ナラハ・サステックがプロデュース、蓄電所は2029年から稼働予定
ナラハ・サステックによると、蓄電所は同社やエネルギー大手企業などが出資する特別目的会社が運営します。東電と東北電力の送電網に連結し、蓄電した電力を売電する計画で、2029年から順次稼働させる見込みです。また、再エネ関連事業の実験実証施設などを整備し、循環型経済を目指す優良ベンチャー企業などの誘致も進めていく方針です。
石崎芳行代表が語る、3本柱で双葉郡の活性化を目指す構想
波倉産業団地を活用し「楢葉再エネパーク」事業を進めるナラハ・サステックの代表、石崎芳行氏(72)は、福島第2原発所長や福島復興本社代表を務めた元東電社員です。石崎氏は「双葉郡や浜通りの復興に加え、移住定住の促進にも貢献したい」と語ります。
事業構想について、石崎氏は「国内最大級の系統用蓄電所エリア、実験・実証施設のオープンイノベーションエリア、企業誘致の事業誘致エリアの3本柱を掲げています。目標は、原発に替わる新しい産業に発展させ、若者が集い交流する今までにない画期的な産業団地にすることです」と説明しました。
蓄電所整備の狙いについては、「蓄電所は需給変動に対応でき、再エネの普及拡大や電力の安定供給につながります。近くに原発稼働時に使われた送電網があり、建設に適している点も利点です」と述べています。
将来の展望として、石崎氏は「双葉郡南部は復興が進んでいますが、産業面では足りない部分があります。一方、福島ロボットテストフィールドなど北部で産業集積が進んでいます。南部にも産業の目玉ができれば、南北で循環が生まれ、浜通り全体の活性化になるでしょう」と期待を寄せました。



