原発テロ対策施設の設置期限、事実上の延長へ 運転停止回避の可能性も
原発テロ対策施設の設置期限延長へ 運転停止回避の可能性

原発テロ対策施設の設置期限、事実上の延長へ

原子力規制委員会は2月18日、原子力発電所に設置が義務づけられているテロ対策施設について、設置期限を見直す方針を決定しました。これにより、原発本体の審査終了から5年以内としていた設置期限が事実上延長される見通しとなりました。今後は、5年以内とする起点を「運転開始から」と先延ばしする案を軸に検討が進められます。

期限に間に合わず運転停止の危機

テロ対策施設は、特定重大事故等対処施設と呼ばれ、航空機によるテロ攻撃などが発生した場合でも、遠隔操作で原子炉を冷却できるようにするための重要な設備です。再稼働に必要な原発本体の工事計画の認可を受けてから5年以内の設置が義務づけられており、期限に間に合わない場合には運転ができなくなります。

しかし、これまでにテロ対策施設が完成した12基のうち、期限に間に合ったのはわずか1基だけで、他の11基は約1年遅れている状況です。このため、期限に間に合わずに運転を止めざるを得ない原発が相次ぐ可能性が懸念されていました。

業界団体の要望と規制委の判断

原子力の業界団体は昨年10月、建設業界の労働力不足を理由に、設置期限を8年に延ばすよう要望していました。これを受けて原子力規制委員会は検討を開始しましたが、18日の定例会では、建設業界の労働環境の変化を理由に期限の延長を認めることはできないとの考えで一致しました。

一方で、期限に間に合わない事例が多数発生している現状を踏まえ、設置期限の見直しが必要であると判断しました。この決定により、原発の運転停止を免れる可能性が高まることが期待されています。

今後の課題と展望

原子力規制庁は、設置期限の見直し案を具体化するための検討を進めます。起点を「運転開始から」とする案が軸となり、事実上の期限延長が実現すれば、原発の安定運転に寄与することが見込まれます。

しかし、テロ対策施設の設置は安全性確保の観点から不可欠であり、期限の延長が安全対策の遅れにつながらないよう、慎重な議論が求められます。今後の規制委員会の動向に注目が集まっています。