AIで事務仕事削減、営業強化へ人材再配置 損保ジャパンなど進める「AI配転」
AI配転で事務削減、営業強化へ 損保ジャパンなど

生成AI(人工知能)の急速な普及が、人々の働き方に大きな変革をもたらしている。AI活用を積極的に進める企業では、事務や企画といったオフィスワークをAIに代替させることで業務を効率化し、浮いた人材を営業力の強化や新たな事業分野へと振り向ける「AI配転」の動きが相次いでいる。

西日本シティ銀行、AIで1500人分の業務削減

西日本シティ銀行(福岡市)は2018年4月から本格的な業務改革に着手し、2026年3月までに「1500人分の業務量削減」を達成した。事務系業務の削減に向けて、支店窓口にタブレットを導入し、ペーパーレス化を推進。2024年には約3500人の全社員のパソコンに、ChatGPTをベースにした「NCB-ASSIST」という独自のAIツールを導入した。さらに2025年には、生成AIを活用し、顧客がホームページ上の「HPナビゲーション」にチャットで質問すると、自動で回答するサービスを開始した。

現在、行員の6割以上が日常業務でAIを活用しており、同行は今後3年間で年間20万時間の業務効率化が可能と試算している。総合企画部長の出島大さん(50)は「今後はAIを使って顧客との会話の録音データを要約し、顧客データと連動させることで提案書などを自動作成することを検討している。融資稟議やコンプライアンスチェックもAIで効率化したい」と語る。

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人員削減ではなく営業力強化へ

事務作業のスリム化の目的は人員削減ではなく、営業力強化に人員を振り向けて収益力を高めることにある。浮いた人材をリスキリング(再教育)し、M&A(合併・買収)などの高度な専門領域へ配置する新しいビジネスモデルの確立を目指している。AI活用によって企業の人事戦略や働き方はどのように変わるのか。みずほフィナンシャルグループ、RIZAPグループ、アフラック、損害保険ジャパンなどの取り組みを取材した。

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損保ジャパン、新入社員向けAI研修を実施

損害保険ジャパンは2026年4月20日、東京都新宿区の本社で新入社員向けのAI研修を実施した。同社は生成AIを活用した業務効率化を推進しており、事務作業の削減と営業力強化を両立させる狙いがある。AI研修では、生成AIの基本操作から、実際の業務での応用方法までを学ぶ。同社は今後、AIを活用した新たな保険商品の開発や、異業種への参入も視野に入れている。

AI配転の動きは、金融業界だけでなく、製造業やサービス業にも広がりつつある。AIの導入により、単純な事務作業は減少する一方で、人間にしかできない創造的な業務や対人スキルが求められる仕事の価値が高まっている。企業は、AIと人間の役割分担を明確にし、従業員のスキルアップを支援する必要がある。

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