原発審査10年超え7基 断層議論続く志賀原発「否定ばかり目につく」
原発審査10年超え7基 断層議論続く志賀原発 (15.02.2026)

審査期間10年超の原発7基 地震・津波対策の難航が背景

東京電力柏崎刈羽原発6号機(新潟県)が約14年ぶりに再稼働した。原子力規制委員会の審査を通り、運転を再開した原発はこれで15基目となる。しかし、審査期間が10年を超える原発も7基存在し、地震や津波に関する安全審査の難航が主な要因となっている。

泊3号機は12年の長期審査

昨年7月、北海道電力の泊3号機が約12年間の審査を経て、新規制基準に適合すると認められた。同時期に申請された原発の多くが2年から5年で再稼働する中で、突出して長期の審査となったケースである。

審査では、東京電力福島第一原発事故を踏まえた新たな規制基準に基づき、安全対策の基本方針を確認する。原発ごとに想定される最大の地震の揺れ「基準地震動」や津波の高さ「基準津波」を決定することが最大の論点となっている。基準地震動は施設の耐震設計、基準津波は浸水防止対策などの基礎となる。

泊原発の基準地震動は2015年12月にいったん了承されたが、その後の審査で敷地内に活断層がある可能性が浮上し、追加調査が必要となった。新たな根拠を示してあらためて了承されたのは2023年であった。3号機と一緒に申請された泊1号機と2号機は今後、本格的な審査に入る見通しだ。

東通と大間も10年前後の審査

東北電力東通1号機(青森県)と、電源開発が建設中の大間原発(同)も、2014年の申請から基準地震動が決まるまで10年前後を要した。今後は施設側の審査のほか、東通原発では敷地の一部のかさ上げ、大間原発では地盤改良工事が進むとみられる。

志賀2号機で続く断層議論

申請から11年を超える北陸電力志賀2号機(石川県)では、基準地震動の決定に向けた審査が継続している。審査会合では、周辺の断層についての議論がかみ合わない場面が目立っており、関係者からは「否定ばかりが目につく」との声も上がっている。

2025年11月の会合では、断層の活動性や影響範囲を巡って活発な議論が交わされたが、結論には至らなかった。規制委員会と事業者側の見解の隔たりが解消されず、審査の長期化を招いている状況だ。

安全最優先の審査プロセス

原子力規制委員会は、福島第一原発事故の教訓を反映した厳格な審査を実施しており、地震や津波に関する科学的な評価を徹底している。しかし、審査の長期化は事業者の経営計画に影響を与えるだけでなく、地域社会の不安を増幅させる側面もある。

今後も、科学的根拠に基づいた透明性の高い審査が求められるとともに、審査期間の適正化に向けた取り組みが課題となる。特に活断層の評価については、地質調査の手法やデータの解釈を巡る議論が続いており、専門家の間でも見解の一致が難しいケースが少なくない。