政府は8日、行政機関における生成AI(人工知能)の活用に関するガイドライン案を公表した。このガイドライン案は、ChatGPTなどの生成AIを業務に導入する際の基本的な考え方や具体的な手順を示すもので、各省庁の担当者向けに策定された。政府は、生成AIの活用によって業務効率化やサービス向上が期待できる一方、情報漏洩や著作権侵害などのリスクが存在するとして、適切な対策を講じるよう求めている。
ガイドライン案の主な内容
ガイドライン案では、生成AIの活用範囲として、文書作成支援、データ分析、翻訳業務、問い合わせ対応など、多岐にわたる業務を想定。具体的な手順としては、まず業務ごとに生成AIの利用目的と期待効果を明確化し、リスク評価を実施した上で、利用開始を判断するとしている。特に、個人情報や機密情報を取り扱う業務では、原則として生成AIの利用を禁止し、やむを得ず利用する場合には、データの匿名化やアクセス制限などの厳格な対策を求める。
リスク対策と検証プロセス
情報漏洩リスクに対しては、生成AIに入力するデータの種類を制限し、外部のAIサービスを利用する場合には、データが外部サーバーに保存されないよう契約で確認する必要がある。また、AIが生成した文章やデータの正確性を検証するためのプロセスを設け、誤った情報をそのまま利用しないよう注意喚起している。さらに、著作権侵害を防ぐため、AIが生成したコンテンツを公開する際には、事前に権利関係を確認することを推奨している。
行政の効率化と安全性の両立
政府は、このガイドライン案を踏まえ、各府省庁が自主的に生成AIの活用を進めることを期待している。一方で、現場の負担軽減やサービスの質向上につなげるため、定期的な見直しを行い、新たな技術動向やリスクに対応していく方針。また、国民から信頼される行政サービスを提供するため、透明性の確保や説明責任の徹底も重要視している。ガイドライン案は、パブリックコメントを経て、年内に正式決定される見通し。



