イタリアで2年に1度開催される現代美術の祭典、ベネチア・ビエンナーレ国際美術展の主催者は4月30日、5人で構成される国際審査員団が全員辞任したと発表した。理由は明らかにされていないが、審査員団は「人権擁護」の観点から、ロシアとイスラエルを代表するアーティストの作品を賞の審査対象外とする方針を示していた。5月9日の開幕を目前に、混乱が広がっている。
審査員団辞任の経緯
審査員団は、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの紛争を背景に、両国を代表する作品を審査しない意向を表明。これに対し、主催者は審査員団の決定を支持せず、結果として審査員団が辞任に至ったとみられる。主催者は声明で「国際審査員団の辞任を遺憾に思うが、ビエンナーレは予定通り開催する」と述べた。
授賞式の延期と新たな賞
主催者は開幕日に予定していた授賞式を11月22日に延期すると発表。代わりに、来場者が投票で選ぶ賞を新設し、ロシアやイスラエルも対象となる見通し。これにより、作品の公平な評価を目指すとしている。
ロシアの参加再開
ロシアは2022年2月のウクライナ侵攻以降、ビエンナーレに参加していなかった。しかし、主催者は今年3月、ロシアの参加を認めると発表。これに対し、ウクライナや一部のアーティストから批判の声が上がっていた。
今回の混乱は、芸術と政治の関係をめぐる議論を再燃させている。ビエンナーレは5月9日から11月24日まで開催され、世界中から注目を集める。



