柚木麻子氏が「BUTTER」版権を新潮社から河出書房新社へ移行 週刊新潮コラム問題が契機
柚木麻子氏「BUTTER」版権移行 週刊新潮コラム問題で

作家・柚木麻子氏が「BUTTER」の版権を新潮社から引き上げ 週刊新潮コラム問題を契機に

作家の柚木麻子氏が、自身のインスタグラムを通じて、ベストセラー小説「BUTTER」の版権を新潮社から引き上げ、河出書房新社へ移行することを発表しました。この決断は、「週刊新潮」が掲載した差別的コラム問題をめぐり、作家としての責任と出版システムの在り方を深く考え直した結果として表明されました。

コラム問題が契機に 柚木氏が語る「具体的なアクション」

柚木氏はコメントの中で、「深沢潮さんにかかった負担と孤立について見聞きし、出版というシステムの在り方を深く考え直す契機の一つとなりました」と述べています。さらに、「作家として、自分にできる具体的なアクションは何か。検討を重ねた結果、新潮社様における複数の版権のうち、一作を他社へ移動するという選択に至りました」と説明しました。

この問題の発端は、昨年7月31日号の「週刊新潮」に掲載されたコラムです。「創氏改名2・0」と題されたその記事では、作家の深沢潮氏をはじめ、俳優や大学教授らの実名を挙げ、「日本も嫌い、日本人も嫌いは勝手だが、ならばせめて日本名を使うな」といった差別的表現が記されていました。深沢氏は、このコラムを収録した書籍の内容が事実に反し、名誉感情を侵害するものだとして、出版社などを相手に提訴しています。

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大ヒット作「BUTTER」の版権移行 河出書房新社が新装版を刊行へ

「BUTTER」は2017年の刊行以降、日本で63万部(電子書籍含む)、海外でも英国を中心に約100万部を記録する大ヒット小説です。河出書房新社によると、「現在注目を集めている作品を新たに扱うことは経験がないが、柚木さんのご意向を踏まえて、読者の皆さんにご迷惑をおかけしないように、新潮社さんと協議を続け、合意した」とのことです。

同社は、新装版を6月中旬に河出文庫から刊行する予定で、海外の版権調整も引き継ぎます。この決定により、読者への継続的な供給が確保される見込みです。

出版界に波紋 差別問題への対応が焦点に

柚木氏の決断は、出版界において差別問題への対応が改めて問われるきっかけとなりました。週刊新潮のコラム問題は、過去にも批判を呼びながら連載が続けられてきた経緯があり、今回の版権移行は、「ヘイト本」ブームや差別的表現に対する作家側の強いメッセージとして注目されています。

新潮社は、誌面上でおわびを掲載するなど対応を進めていますが、柚木氏のような具体的なアクションが、出版業界全体の倫理観や責任の在り方について議論を深める一助となる可能性があります。

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