廃棄ブロッコリー茎が絶品漬物に!岩手・宮古の若手農家が県グランプリW受賞
廃棄ブロッコリー茎が漬物に 宮古の若手農家W受賞

岩手県宮古市の山間部、刈屋地区でブロッコリーの出荷が最盛期を迎える初夏。収穫時に切り落とされた茎が畑に積み上がる。かつては廃棄される運命にあったこの茎を、食卓を彩るごちそうに変えた若手農家がいる。「Village Farm新里」代表の久保田智治さん(31)だ。

廃棄茎が約200キロ、もったいない精神から商品化へ

出荷時に房をそろえるため、5~10センチほど余る茎は、多い日で約200キロにも及ぶ。久保田さんは2024年、母が作った茎の浅漬けに感銘を受け、「捨てられるはずの茎を生かしたい」と商品開発に着手。ちょうど改正食品衛生法の経過措置が終了し、許可のない漬物製造ができなくなった時期でもあり、地元の手作り漬物が産直から消える危機感も背中を押した。

試行錯誤の末に完成、昆布つゆと塩こうじで深み

試作段階では、つぼみ部分の漬物が家族に好評だったが、あくまで廃棄茎を生かす原点は貫いた。料理研究家の助言を受け、塩漬けなど数種類を試し、昆布つゆと塩こうじで深みを出すレシピにたどり着く。パッケージはデザイナーに依頼し、鮮やかな緑をあしらった。

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「ぱくぱく畑」発売、県グランプリでW受賞

2025年6月、採れたての茎を漬け込んだ「ぱくぱく畑~ブロッコリーのお漬物~」を発売。同年8月には県のふるさと食品コンクール「岩手ぅんめぇ~もん!!グランプリ2025」で優良賞(6次産業化部門)と特別賞(SDGs賞)をダブル受賞。廃棄部分を有効活用した点が高く評価され、宮古農業改良普及センターの試食会でも「塩加減がちょうどいい」と評判を呼んだ。

活動拡大、規格外大根も漬物に

昨年12月には、近隣農家が出荷できずにいる規格外の大根を引き取り、「ぱくぱく畑」シリーズとして販売。活動のフィールドを広げている。

農業9年目、厳しい環境でも信念は揺るがず

就農9年目。肥料や資材価格の高騰で経営は圧迫され、農家の高齢化や担い手不足で刈屋地区の耕作放棄地も増加傾向にある。それでも久保田さんは「農業が天職。工夫次第で活路は見いだせる」と信念を語る。日々の農作業に汗を流しながら、「これからも廃棄される部分にこだわった漬物作りを続け、地域活性化につなげたい」と意気込む。

久保田さんは1994年、宮古市刈屋生まれ。旧宮古商業高校、県立農業大学校を卒業後、滋賀県の種苗会社専門学校で学び、2017年に就農。葉の色味から野菜の状態がわかるという。妻(35)と2歳の長男、生後11か月の長女、両親と暮らす。

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