子どもの夢が街路灯を彩る 蕨市・塚越商店会のユニークな取り組み
JR蕨駅前の商店街「塚越商店会」(埼玉県蕨市)で、街路灯に地元の子どもたちが描いたイラストをあしらったフラッグが飾られている。地域住民の商店会への関心を高めようと企画されたこの取り組みは、商店主らが「街中のにぎわいにつながってくれれば」と期待を寄せるプロジェクトだ。
118人の卒業生の夢が商店街に
フラッグは横70センチ、縦140センチのサイズで、商店会エリアの街路灯62本すべてに取り付けられている。近隣の同市立東小学校と塚越小学校の協力を得て、両校を今年3月に卒業した当時6年生の118人のイラストをフラッグに1~2作品ずつ掲載した。
テーマは「夢・夢中になっていること」。野球やサッカー、テニスといった人気スポーツの絵のほか、大きな「夢」という文字を真ん中に描いた大胆な構図の作品も見られる。「正社員になって不自由のない生活をする」「空手大好き」と文章で表現する子どももいた。
商店会と地域の新たな絆づくり
フラッグには、イラストとともに商店会のイベント情報と約50の加盟店の名を1軒ずつ記載している。この企画は昨年から始め、2回目となる今年のものは来年3月ごろまで見られる予定だ。
商店会は以前から街路灯にフラッグを設置していたが、なかなか見てもらえない悩みがあった。会長の貫井賢治さん(65)は「開始以来、親子連れが上を見ながら散策する姿が見られた」と手応えを感じている。
子どもたちの声と商店会の思い
自分の絵が街を彩る経験を通じ、子どもと商店会のつながりを深める狙いもある。塚越小出身の宮澤亜湖さん(12)は、サッカーに打ち込む自らの姿を描いた。「体を鍛え、相手からボールを奪えるようになった」と笑顔で語り、「商店会のみんなは優しい。祭りなどがあれば関わりたい」と話した。
東小出身の津崎悠仁さん(12)のイラストは、夢中になっているホッケー。親族が商店会で店を経営しているといい、「街路灯に(自分たちの絵が載った)フラッグが飾れるんだ」と驚いた様子だった。
企画に携わった商店会の田中雅子さん(40)は「将来、仕事などで市外に出ても、蕨のことを思い出すきっかけになってくれればうれしい」と語る。
関連イベント「朝マルシェ」も開催
25日午前8時からは、フラッグで告知する商店会のイベントのひとつ、「朝マルシェ」が末広公園で開かれる。蕨市が応援するサッカーWEリーグのちふれASエルフェン埼玉に所属していた元日本代表の薊理絵さんのキッチンカーが出店するほか、地元農家の野菜の販売などが行われる。
この取り組みは、単なる街の装飾ではなく、地域コミュニティの活性化と次世代との絆づくりを目指すものとして、地元から注目を集めている。子どもたちの夢が描かれたフラッグは、商店街の新たなシンボルとして、地域の未来を照らし続けるだろう。



