青森県の宿泊者数が過去最多を更新 冬季観光の「雪」PRが外国人客を呼び込む
観光庁が公表した2025年の青森県内の延べ宿泊者数(速報値)は、512万5880人に達し、統計が残る2007年以降で過去最多となりました。対前年増加率も13.6%と、都道府県別で第1位を記録しています。これまで大雪のため観光に不向きとされてきた冬季の伸びが特に目立ち、雪に慣れ親しんでいない外国人客を対象とした取り組みが大きな成果を上げていると分析されています。
外国人観光客から高い評価を受ける青森の雪景色
「インスタグラムなどのSNSやインターネットで青森の雪の魅力を知りました。コースも長くて最高です」と語るのは、3月に香港からスノーボードを楽しむために訪れた朱瑞さん(28歳)です。青森市の八甲田ロープウェーを利用した彼女の表情は晴れやかでした。
八甲田山周辺では、高さ3メートルを超える樹氷も有名で、今年1月と2月には前年より約3000人多い4万2500人がロープウェーを利用しました。そのうち約40%が外国人客だといいます。運営会社の菊池智明事業部長は、「樹氷を目当てに観光に訪れる人も増えています。青森県の冬の情報が国内外に広く浸透してきていることを実感しています」と手応えを語っています。
冬季観光の課題を「雪」の魅力で克服
これまで青森県では、冬の旅行客の少なさが大きな課題となっていました。観光庁の「2024年宿泊旅行統計調査」によると、月別の県内の延べ宿泊者数は、青森ねぶた祭が開催される8月の50万4690人が最多でした。一方、1月は最も少なく、26万2960人にとどまっていました。
そこで県は冬季の誘客を強化するため、「雪」を観光の呼び水とする戦略を推進してきました。雪の少ない国や地域に向けて、奥入瀬渓流の氷瀑ツアーといった体験型コンテンツを積極的に売り込むほか、青森の雪やスキー場の魅力を紹介する動画を公開するなど、情報発信を強化してきました。
県民向けにも、冬の旅行キャンペーンを実施し、宿泊代を割り引いたり、お土産をプレゼントしたりすることで、需要の喚起に努めてきました。
取り組みの成果が明確に現れる
こうした取り組みの成果は、2025年の延べ宿泊者数の内訳にも明確に表れています。1月は31万4800人(前年比19.7%増)、2月は33万2800人(同16.0%増)と、前年比で大きく伸ばしました。
宮下知事は2月下旬の記者会見で、延べ宿泊者数の伸び率が全国1位になった要因について、「冬季観光を強化してきた一つの成果が出たと言えます。特に外国人の宿泊者数が伸び、全体を押し上げる形となりました」と説明しています。
さらに、2028年までの目標としていた「外国人の延べ宿泊者数50万人」も3年前倒しで達成しました。県などは3月下旬、同年の目標を1.5倍の75万人に引き上げることを決定し、今後も観光振興に力を入れていく方針を示しています。



