若狭湾サイクリングルート「わかさいくる」、ナショナルサイクルルート指定へ最終段階
福井県敦賀市から高浜町までの海と湖沿いを走る「若狭湾サイクリングルート(通称:わかさいくる)」のナショナルサイクルルート(NCR)指定に向けた取り組みが、官民一体で大詰めを迎えています。国内外のサイクリストが集う聖地となることを目指し、県や嶺南6市町、商工団体などが連携して準備を進めています。
全長126キロの魅力あふれるコース
わかさいくるは、北陸新幹線の県内開業を前に、嶺南地域の豊かな自然を楽しんでもらおうと、2021年度に策定されました。コースは全長126キロで、敦賀駅を起点に、気比の松原(敦賀市)や水晶浜(美浜町)を経由し、三方五湖(美浜町・若狭町)を周回します。さらに小浜湾に沿って走行し、青戸の大橋(おおい町)や若狭和田ビーチ(高浜町)を通過して若狭高浜駅に至ります。海風を感じながら湖や山の風景を堪能できる、多様性に富んだルートです。
NCR指定に向けた具体的な整備
NCRに選定されるためには、走行時の安全性と快適性が確保されなければなりません。具体的には、進行方向を示す矢羽根などの路面表示や案内看板の設置、サイクリストが休憩や修理のために立ち寄れる「自転車の駅」の整備が求められます。協議会では、案内表示や看板の設置を2024年度中に完了させ、ルート沿いの約65か所の公共施設、宿泊施設、飲食店などを自転車の駅として認定しました。
事業者向けセミナーで魅力向上を図る
NCRの次回選定は年内にも行われる可能性があり、より魅力を高めるため、自転車の駅に認定されている事業者らを対象としたセミナーが12日夜に小浜市で開催されました。講師を務めたのは、全国各地でサイクリングツアーを開催する「ライダス」(大津市)の代表取締役、井上寿さん(57)です。井上さんはわかさいくるについて、「港町の風景が広がり、まだまだ発展性がある」と高く評価しました。
さらに、「都市部には自転車のための十分なスペースがなく、サイクリングルートは大きなビジネスになる」と指摘。サイクリストの多くは走るだけでなく観光も楽しみたいと考えているため、SNSを活用した積極的なPRが有効だと訴えました。
地域一体で盛り上げる取り組み
ルート沿いの宿泊施設「敦賀さざなみリゾートちょうべい」(敦賀市)の代表取締役、山本敬子さん(52)は、「ルート全体を盛り上げるためにも、自転車の駅としての魅力を高めたい」と意気込みを語りました。県の担当者も「自転車観光を推進し、嶺南地域の活性化につなげたい」と強調しています。
ナショナルサイクルルートとは
ナショナルサイクルルート(NCR)は、自転車で観光地を巡る「サイクルツーリズム」を推進するため、国土交通省が指定する日本を代表する自転車道です。これまでに、瀬戸内海の島々を結ぶ「しまなみ海道サイクリングロード」(広島県尾道市―愛媛県今治市、70キロ)や琵琶湖岸を反時計回りに1周する「ビワイチ」(滋賀県、193キロ)など6ルートが指定されています。わかさいくるがこれに加わることで、日本のサイクリング文化の新たな拠点となることが期待されています。



