長野市、旧松代駅舎の解体方針を転換 民間活用へ移動保存を決定
長野市、旧松代駅舎の解体方針転換 民間活用へ移動保存

長野市、旧松代駅舎の解体方針を転換 民間事業者公募で保存活用へ

長野市は、老朽化を理由に解体が予定されていた長野電鉄旧屋代線松代駅の駅舎について、方針を大きく転換し、駅舎を近くに移動させて保存することを決定した。地元住民の強い反対と保存を求める声に応える形で、市は来年度に駅舎を活用する民間事業者の公募を行う意向を示している。

住民の声が方針転換の契機に

旧松代駅舎は長野市松代町松代に位置し、1922年に建設された木造建築である。2012年の廃線に伴い、翌年に長野電鉄から市へ無償譲渡されたが、老朽化が進み維持管理が困難な状況に加え、道路整備の妨げとなるとして、市は当初解体を計画。今年度の予算には約800万円の解体費用が計上されていた。

しかし、この解体計画に対して地元住民からは「駅舎は松代の象徴だ」との反対意見が相次ぎ、有志による署名活動では約4200筆が集められ、昨年7月に市へ提出された。この住民の強い思いが市の判断を変える大きな要因となった。

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「曳き家」方式での移動を検討

関係者によると、駅舎の移動方法としては、建物をジャッキで持ち上げてレール上を水平に移動させる「曳き家」と呼ばれる伝統的な手法が想定されている。この方法は歴史的建造物の保存に適しており、駅舎の構造を損なわずに安全に移設することが可能と見られている。

また、市は複数の民間事業者から駅舎活用の提案を受けており、これらのアイデアを具体化するため、来年度に公募を実施する方針だ。駅舎の新たな用途としては、カフェやギャラリー、地域交流施設などが検討されている可能性がある。

市長、安全面と市民の思いを強調

先月18日の記者会見で、荻原健司市長は駅舎が交差点に接していることから「安全面からも周辺環境の早期整備の必要性を感じている」と述べ、移動保存の背景を説明。さらに、「解体に向けた予算を計上していたが、市民の思いを丁寧に受け止めた」と語り、住民の声を尊重した方針転換の経緯を明らかにした。

市は7日に行われる地元住民との意見交換会で、詳細な計画を提示し、理解を求める予定だ。この決定により、約100年の歴史を持つ旧松代駅舎は、松代のランドマークとして新たな命を吹き込まれる見通しとなった。

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