臼杵市で「うすき雛めぐり」開催、江戸時代の財政難が由来の手作り和紙人形が商店街を彩る
大分県臼杵市中心部で、手作りの和紙のひな人形が街を彩る「うすき雛めぐり」が開催されています。商店街や観光施設などに計約1500組、3000体もの人形が飾られており、その展示は3月8日まで続きます。
江戸時代後期の財政難が起源、紙製人形の伝統を現代に再現
この行事の由来は、江戸時代後期にさかのぼります。当時、財政難に直面した臼杵藩は質素倹約を掲げ、紙製のひな人形しか飾ることを許さなかったという歴史的背景があります。この伝統を現代に蘇らせたのが、市民有志14人で構成される「うすき雛の会」です。
同会は、ひな人形の原型とされる「立ち雛」を参考に「うすき雛」として再現し、20年前から毎年この行事を開催しています。石川久美子代表(70)は「人形を1組作るのに3時間以上かかります。人形それぞれの異なる表情を味わってほしい」と語っています。
4つの主会場を中心に広がる展示、新企画も初実施
人形の展示は、市観光交流プラザ、複合施設「サーラ・デ・うすき」、旧真光寺、久家の大蔵の4か所を主会場とし、周辺の商店街や観光施設にも広がっています。
今年は新たな試みとして、主会場に土台の俵に平仮名1文字が書かれた人形17体を設置。正しい文字列に並べ替えると、抽選で箱入りのうすき雛が当たる催しを初めて企画しました。これにより、来場者の参加意識を高め、地域の伝統文化への理解を深める工夫がなされています。
地域の歴史と文化を伝える継続的な取り組み
「うすき雛めぐり」は、単なる観光イベントではなく、臼杵市の歴史と文化を次世代に伝える重要な取り組みです。財政難という逆境から生まれた質素な紙製人形の伝統が、市民の手によって現代に継承され、地域のアイデンティティとして定着しています。
問い合わせは市観光協会内の実行委員会(0972-64-7130)まで。この行事を通じて、臼杵市の豊かな歴史と職人技が光る手作り和紙人形の魅力を多くの人々が体験しています。