岐阜清流ハーフマラソン、81歳ランナーの走り続ける理由
高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンが26日に岐阜市内で開催される。長良川の清流に癒やされ、金華山の雄大な景色に背中を押されて挑む約21キロのコース。さまざまな思いを胸に走るランナーたちの中に、名古屋市在住の柚原克朗さん(81)の姿がある。
走り方の変化と新たな発見
「まずは完走を目指します。昨年のタイムを超えられれば嬉しいですね」。柚原さんは2011年の第1回大会から毎年欠かさず出場してきた。高山市出身の彼は、定年退職後に国内外のマラソン大会に挑戦していたが、清流ハーフの開催を知り参加を決めた。
60代の頃はハーフマラソンを1時間40分ほどで走り切る本格的なランナーだった。当時は好タイムを狙うことに必死で、景色を眺める余裕もなかったと振り返る。しかし、年齢を重ねるにつれてタイムは徐々に遅くなり、現在では60代のベストタイムより1時間も遅い。
柚原さんは自身の年齢を考慮し、「こんなものだろう」と受け入れるようになった。記録を追わなくなったことで、これまで気づかなかった大会の魅力を新たに発見したという。
金華山と長良川の風景に癒やされる
無我夢中で走っていた頃には意識していなかった金華山や岐阜城、長良川の景色は、実は柚原さんにとって懐かしい風景だ。岐阜市で働いていた20代の頃にも目にしていたもので、走りながらゆっくりと眺めることで癒やしを感じるようになった。
同じペースで走るランナーとの会話も楽しみの一つだ。「後もう少しだよ」とお互いに声を掛け合い、励まし合いながら完走を目指す。地域の人々からの応援も大きな支えとなっている。
地域の温かい応援と五輪金メダリストとの交流
旅館や町屋が並ぶ川原町では、多くの応援者が集まり、あんこの入ったあゆ菓子が振る舞われる。「応援の方がたくさんいて、あゆ菓子は走るエネルギーになります」と柚原さんは笑顔で語る。
ゴール地点では毎年、シドニーオリンピック金メダリストで大会長の高橋尚子さんと、アテネオリンピック金メダリストの野口みずきさんが待ち構えている。「2人とハイタッチするのが楽しみです。今年も自分と向き合いながら、マイペースで走り切りたい」と力を込めた。
柚原さんの走りは、単なるスポーツ競技を超え、人生の豊かさや地域との絆を感じさせるものとなっている。岐阜の自然と人々の温かさに包まれながら、81歳のランナーは今年も清流ハーフマラソンのコースを力強く走り抜けるだろう。



