精神疾患の偏見取り除く活動を表彰 第1回「ビヨンド賞」10団体が受賞
精神疾患など精神面で困りごとがある人々が生きやすい社会を実現するため、社会に存在する偏見や障壁を取り除く活動を続けてきた団体をたたえる第1回「ビヨンド賞-精神障害ともにある-」の表彰式が19日、東京都内で開催された。社会福祉法人「はらからの家福祉会」(東京都国分寺市)をはじめとする10団体が選出され、地道な取り組みが高く評価された。
ピア活動で退院促進 はらからの家福祉会の取り組み
はらからの家福祉会は、同じ立場や経験を持つピア(仲間)同士が対等な立場で支え合う「ピア活動」が評価された。精神科病院の協力を得て、ピアの人たちが院内を訪問し、「地域で暮らすのは楽しい」といった体験談を語ることで、患者の退院を促進してきた。
中野悟総合施設長は「地道な取り組みに光を当ててもらい、励みになる」と喜びを語った。精神保健福祉士の毛塚和英さんは「ピアの人たちの言葉は確実に届く。コロナ禍では病院訪問ができず苦しい時期もあったが、手紙を書くなどつながりを保つ取り組みを続けてきた。この賞はみんなでいただいたものだ」と強調した。
日本フィランソロピック財団が創設 長期的な支援を約束
ビヨンド賞を創設したのは日本フィランソロピック財団(港区)。篤志家や団体からの寄付を通じて基金を設立し、寄付者が提案した助成事業や奨学金事業、顕彰事業を実施することで社会貢献を推進している。今回の賞以外にも、子ども関連や福祉、芸術分野など、すでに33の基金が設立されている。
表彰式で、財団の岸本和久代表理事は「地域に根差し、モデルとなるような活動を高く評価させてもらった。ビヨンド賞は長く続く設計になっている。多くの取り組みが社会に大きな意味を与えていけたらいい」と述べ、継続的な支援を約束した。
応募資格は5年以上の活動実績 独自性や影響力で選考
ビヨンド賞は今回が初めての実施で、応募資格は5年以上の活動実績がある法人や団体に限定された。選考では、活動の独自性や社会への影響力など、多角的な視点から審査が行われた。
他の受賞団体は以下の通り。ダルク女性ハウス(東京)、しんぐるまざあず・ふぉーらむ(同)、精神障害当事者会ポルケ(同)、OUTBACKプロジェクト(神奈川)、やどかりの里(埼玉)、おかやまUFE(岡山)、高次脳機能障害者サポートネット(兵庫)、国際ビフレンダーズ大阪自殺防止センター(大阪)、ハーネス(沖縄)。
これらの団体は、精神疾患に対する社会の理解を深め、当事者が地域で安心して暮らせる環境づくりに貢献している。ビヨンド賞の創設は、こうした活動をさらに広げ、持続可能な支援体制を構築するための重要な一歩となった。
