菊地祥平の古巣越谷での感動的別れ 安斎監督が語る「日本のバスケを変える存在」
菊地祥平の古巣越谷で感動別れ 安斎監督が語る未来

古巣越谷で鳴り響く「菊地祥平」コール 引退表明のベテランに惜別の声

ベテラン選手への古巣からの声援は、トヨタアリーナ東京の大観衆にも決して引けを取らない熱量を放っていた。今シーズン限りでの現役引退を表明しているBリーグ1部(B1)アルバルク東京(A東京)の菊地祥平(41)が、4月18日と19日の両日、2022-23年シーズンから2シーズン在籍した越谷アルファーズの本拠地・埼玉県越谷市立総合体育館を訪れた。これはA東京に復帰して以来、初めての古巣訪問となった。

ファンが企画した特別な見送り

2試合ともベンチ外での参加ではあったが、越谷のサポーターたちはアリーナを揺るがすような「菊地祥平」コールを響かせ、勇退を惜しむ気持ちを爆発させた。第1戦の開始前には、越谷アルファーズの安斎竜三監督から花束が贈呈される温かい一幕も。さらに第2戦後の選手退場時には、ファンが自主的に企画し、交流サイト(SNS)で参加を呼びかけた特別なコールで菊地選手を見送ったのである。

菊地祥平は、リーグ唯一の連覇に貢献したA東京のファンだけでなく、わずか2シーズン在籍したに過ぎない越谷のファンにも強烈な印象を残していた。その人柄とプレーが、多くの人々の心を捉えていた証左と言えるだろう。

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「竜三さんとバスケがしたかった」という決断

菊地選手は越谷への移籍を決断した当時を振り返り、こう語っている。「(A東京には)残ってほしいと言われていた。でも竜三さんとバスケがしたかった」。安斎監督は宇都宮ブレックスの監督としてリーグ優勝を決めた後、自身が現役時代にプレー経験のある越谷の監督に就任していた。菊地選手はその安斎監督との再会を強く望み、移籍を決意したのである。

この言葉に対して安斎監督は、「祥平がそう言ってくれるのは本当にうれしい」とほほを緩め、当時の思い出を語り始めた。菊地選手が越谷に加入した当時、チームはまだ2部(B2)に所属していた。B1での連覇を経験している菊地選手の加入は、チームにとって大きな心強さとなった。「二人で優勝するチームってどういうものなのだろうって、よく話し合ったものです」と安斎監督は懐かしむ。

経験の伝承がもたらした歴史的昇格

宇都宮でチームを頂点に導いた安斎監督はコーチの視点から、A東京の連覇に貢献した菊地選手は選手の視点から、それぞれが越谷の選手たちに貴重な経験を伝えていった。その結果、越谷アルファーズは2023-24年シーズン、クラブ史上初めて、そして埼玉県のクラブとしても初となるB1昇格を勝ち取るという快挙を成し遂げたのである。

安斎監督は菊地選手についてこう称える。「祥平は痛みがあっても、どんなに疲れていても、やると決めたことはすべてをやり遂げる選手だ」。試合では時に、ファウルで相手を止めることが必要となる場面がある。そんな役割を引き受け、たとえ退場のリスクがあってもチームのために尽くす菊地選手の姿勢は、越谷の選手たちにとって最高の手本となった。

「自分が犠牲になることも分かっていながらやってくれた。彼のような選手がリーグに増える必要がある」と安斎監督は語り、次の世代への期待を込めてこう続けた。「彼のそういう部分を、次の世代に伝えてもらえたい。そうすれば、日本のバスケットボールはもっとよくなると思う」。

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マスコットからも愛された選手

菊地選手の人柄は、ファンだけでなく、チームのマスコットにも愛されていた。今シーズンのマスコットファン投票で5位に入った越谷のマスコット「アルファマン」は、試合前に菊地選手にその結果を報告するほどの仲の良さを見せた。わずか2年の在籍期間にもかかわらず、指揮官、選手、ファン、そしてマスコットにまで深く愛された菊地祥平。彼が越谷に残したものは、B1昇格への貢献だけではなかった。そのプレースタイルと人間性そのものが、チームと地域を魅了し、この日の大歓声がその証となってアリーナに響き渡ったのである。