三陸沖地震で福島県沿岸に津波到達 住民は迅速な避難行動
2026年4月20日午後4時50分ごろ、三陸沖を震源とする地震が発生しました。福島県内では国見町で最大震度4を観測し、沿岸地域には津波注意報が発表されました。津波は同日午後6時以降に到達し、相馬市で30センチ、いわき市小名浜で10センチの高さを記録しました。
住民の迅速な避難行動と防災意識
いわき市小名浜の高台にあるマリンタワー駐車場には、豊田のぶ子さん(77)の娘と孫ら一家が避難してきました。周囲では消防車やパトカーが「津波注意報が出ています。海岸には近づかないでください」と呼びかけていました。のぶ子さんは東日本大震災の津波で自宅が全壊した経験から、津波の危険がある時は必ず高台へ逃げることを習慣にしています。昨年夏にカムチャツカ半島付近で起きた地震の時も同様の行動を取りました。
今回も、のぶ子さんは注意報が出たことを知ると、おにぎりを食べ、水や薬、お薬手帳が入ったリュックを車に持ち込み高台へ急ぎました。家族もそれぞれ仕事場などから高台に合流しました。のぶ子さんは「寒くなったので、この後は車の中にいるかもしれない」と落ち着いた様子で語りました。
現場での避難状況と自治体の対応
県相馬港湾建設事務所には、相馬港で仕事をしていた人たちが避難していました。警備会社に勤務する国井康広さん(62)は埠頭で約1分間の揺れを感じたと述べ、「一番海に近い場所で働いているから、津波注意報と聞いて自主的に避難した」と説明しました。
相馬港近くの避難所には、菊地静子さん(74)と孫の佐藤悠磨さん(13)が避難していました。学校で部活動をしていた悠磨さんを静子さんが車で迎えに行き、「津波注意報を聞いて、家が港のすぐそばなので、もしものことがあったらと思って」と避難理由を語りました。
自治体は対応に追われました。県災害対策課や各自治体によると、相馬市と南相馬市に各4カ所の自主避難所が開設されました。居住エリアに避難指示は出ていないものの、南相馬市の担当者は「不安に思う方は利用してほしい」と話しています。いわき市は、津波注意報が発表されると、市が避難所として指定する施設を市職員が巡回。同日午後7時までに、最大4カ所を避難所として開設しました。
原子力発電所の安全確認と今後の課題
東京電力によると、廃炉作業が続いている福島第一原子力発電所と福島第二原子力発電所とも同日午後5時半現在、地震による異常は確認されていないということです。この地震は、昨年12月以来2回目となる「後発地震注意情報」が発表された事例でもあり、住民の防災意識の高まりが窺えます。
今回の地震と津波対応では、東日本大震災の教訓を生かした迅速な避難行動が多く見られました。しかし、避難所の運営や情報伝達の課題も浮き彫りになり、今後の防災対策の重要性が改めて認識されました。



